The Troubadoursの『The Troubadours』を過小評価していましたという「とくダネ」

日本で先行発売されたThe TroubadoursThe Troubadoursですが、シングル「Gimme Love」を聞いて「まんまやな〜」と思っていた自分を反省。John Leckieプロデュース(といっても「Gimme Love」のみのプロデュースでアルバム自体はIan Davenport)とかPaul Wellerが絶賛とか更に「まんまやな〜」と思わせる情報が満載だったのですが、想像以上に良質な楽曲が並んでいましたのでご紹介。
確かに「Gimme Love」はここ最近のUKのバンドの中では突出した良曲だと思うのですが、むしろこのデビューアルバムの中では浮いているような気がして、このバンドの本質はもう少しビート感が薄くて緩いサウンドではないかと感じました。その意味ではJohn Leckieが全てのプロデュースを手がけなかった事が良い方向に働き、R&Bのテイストよりフォーキーで西海岸的なサウンドにスポットが当たる事で全体的にメロディの良さも際立っていますので、あえてカッチリと仕上げなかったIan Davenportグッジョブといったところでしょうか。そして、このバンドが圧倒的な懐古主義に終始していないのは中心人物のMark Frithに依るところが大きく、確かに彼の優れたソングライティングの能力がこのバンドをそこらのバンドとは別次元のものに押し上げているし、そのボーカルにも大きな魅力を感じる人が多いのではないでしょうか。個人的には「Con Edison」「Deep Devotion」「God Given Grace」「All The Kings Men」など7〜10曲目の終盤の楽曲群にThe Troubadoursの魅力を感じます。
Troubadoursの今後に悪い意味で気になる点をあげるとしたら、このアルバムでギターとバックコーラスを担当したJohnny Molyneuxが既にバンドを脱退しており、Luke Thomsonという新メンバーが加入している事で、Troubadoursの武器の一つであるコーラワークを含めたバンドのアンサンブルに影響を与えないかという点。
そして良い意味で気になる点はTroubadoursが「とくダネ」で紹介されたらしい事。この間はDuffy「Mercy」を生で歌ったそうで、一体「とくダネ」に何が起きているのでしょうか。もちろん、これがキッカケでTroubadoursが日本でも多くの人の耳に届くのであればそれは素晴らしい事だし、遡ってShackBeefheartLoveByrdsなんかに辿り着ければもっともっと素晴らしいのになと思います。

ザ・トルバドールズ

ザ・トルバドールズ

「Gimme Love」だけでなくこっちもどうぞ。(Im Not) Superstitious- The Troubadours