Little Man Tateがセカンドアルバム『Nothing Worth Having Comes Eas』で解散しない事を願う運動

デビュー時には話題になったLittle Man Tateが例の如くレーベルをドロップアウトし、目立たないながらも活動を続けてセカンドアルバム『Nothing Worth Having Comes Eas』を発売したものの多分に洩れずセールスが振るっていない(全英チャート80位)のでご紹介。
2006年にデビューしたLittle Man Tateは本国イギリスでも話題になったのですがアルバム『About What You Know』自体は全英チャートで27位だったので期待以上にはセールスを伸ばす事が出来ませんでした(シングルカットを含めこのアルバムからシングルを5枚発表した事も影響していると思うのですが)。その後メジャーのV2 Recordsからドロップアウトし、自主レーベルYellow Van Recordsに戻り活動を継続していたのですがめっきり話題になっておらず、特に日本ではLittle Man Tateの情報は全くといって良いほど入ってこなくなっていた(ご存知の通り日本ではV2 Recordsは消滅していますしね)のですが、何とかセカンドアルバム『Nothing Worth Having Comes Eas』が発売されました(何とメジャーでの販売ルートはあの*1Skintが一役買っているようだ、こりゃ意外)。
ここまで書くと完全に解散コースだなこりゃとお思いの方も多いと思うのですが、ところがどっこい『Nothing Worth Having Comes Eas』は起死回生の一発とはいかないまでも良質なロックアルバムになっているので、ぜひ聞いて頂きたい。先行シングル「What Your Boyfriend Said」「Hey Little Sweetie」を聞いた感じではファーストアルバムとさして代わり映えのしない印象でしたが、その印象は間違ってはいなかったものの、楽曲が良い意味で均等に粒が揃っているのでアルバムの完成度としては今作のほうが上ではないかと思います(前作からシングルのカップリング曲などを含めれば既に発表してきた楽曲の数が明らかに多い中、このクオリティの作品を二年足らずで作り上げているわけだから上出来かと)。Little Man Tateサウンドは正に60〜70年代のビートバンドという風情で現代のモッズバンドという様な位置付けで語られると思うのですが、実に真っ当に音楽活動を継続している部分は評価されるべきだし、Kinksに影響を受けたであろう日常を楽曲に落とし込むストーリテラー振りももっと評価されるべきだと感じます。

Nothing Worth Having Comes Eas

Nothing Worth Having Comes Eas

英国の詩人(作家であり児童文学者でもある)Rudyard Kiplingの『IF』の詩(原詩はこちらを参照)をライナーの巻末に掲載している事からも英国らしさやその未来を真直ぐに引き継いでいく気骨を持ったバンドだと思うし、解散させるには惜しいバンドなのでご支援を宜しくお願い致します(いや、解散すると決まったわけではないのですが)。

Hey Little Sweetie - Little Man Tate

*1: big beatなどのダンスミュージックで90年代を席巻したレーベル。主な所属アーティストではFatboy Slim、 Hardknox、 X-Press 2、Bentley Rhythm Ace、Lo-Fidelity Allstars、Goose、Tim deluxe、Midfield Generalなどなど