エレファントカシマシの『Destiny』に繋がる「Friends」と和久井映見

エレファントカシマシの新曲『Destiny』は先日のライブでも披露されたのですが、歌心のある非常にポップな仕上がりになっています。
ドラマの主題歌であるこの曲を、前情報なく1.3倍速でドラマを流していたときに聞いたため、エレカシっぽい声で良いメロディだなぁと思っていたらクレジットを見て驚いたぐらいで、エレカシの曲と意識して聞き直しても最初は違和感を覚えるぐらいでした。でも曲自体はホントいい曲で、ともすればニューミュージック的でシティポップなメロディなのですが、宮本浩次がギリギリの声で歌い上げると説得力があるというか全く別の曲に聞こえるというか。実際、YouTubeではすでに女性のシンガーにカバーされているバージョンが幾つかアップされていて、透明感のある女性ボーカルが歌うと全く別の表情を持った歌に聞こえるのは、スタンダードなポップスとしても大きなポテンシャルを秘めた楽曲だという証だと思います。
サウンドの柔らかさはプロデューサーを務めた亀田誠治によるところが大きいと思うのですが、このさじ加減も絶妙でベタベタにならないラインを守っていると思います。まあ、ドラマで毎週聞いているのとライブで聞いただけなのでCDで聞くとまた印象も変わるかもしれないのですが。でも女性アーティストがカバーしたら嵌まるのは間違いないと思います(「俺」という一人称の扱いが微妙かもだけど)。
とここまではザックリの感想。後半はドラマがらみで少々。
先ほどから文中に出ているドラマというのは「ホワイト・ラボ 警視庁特別科学捜査班」という現在放送されているドラマで、科学捜査班を舞台にした刑事物。切り口を変えてはいるのですが、ストーリー自体は1話完結の王道の刑事ドラマで、そこに科学的な考察を深めに突っ込んだ佳作といった印象です。で問題はそのドラマの主演の一人に和久井映見がいること。
ここで思い出されるのは、宮本浩次唯一のドラマ出演である2000年放送の「Friends」というドラマ。このヒロインが和久井映見なんです。浜田雅功が主演で、他にはドラマで朝ドラ「あすか」で一気に知名度が上がった直後の竹内結子が出ていたり、山口達也が出ていたり、昨今の連続ドラマでもかなり使われている鈴木砂羽内藤剛志大杉漣(「ホワイト・ラボ」にも出演!)も出演していてかなり豪華なキャスティング。当時、リアルタイムで見ていたのですが、宮本浩次の出演(しかもかなりメインの役柄)にも驚いたのですが、意外と普通に演技をこなしていたことにさらに驚いたことを覚えています。その当時、宮本浩次は相当な変人だと思っていましたし、よくまあこの人がドラマに出たものだと思っていました。
で、その14年後に同じドラマに出ていた和久井映見のドラマ(ちなみにどちらもTBSドラマ)の主題歌をエレファントカシマシが担うなんてこれこそ本当に運命的だなと思うわけです。TBSや和久井映見との繋がりが今回のドラマ主題歌の起用に繋がったかは不明ですが、なかなか興味深い繋がりですし、実際に主題歌のオファーがあって作られた曲らしいので、何らかのインスピレーションを刺激された可能性はあるかもしれません。そんなDestinyを想像するのもいと楽し。
以上、無理矢理ドラマにこじつけて終了です。