Fools Gardenの『High Times - The Best of Fools Garden』はドイツの国民的バンドが残した足跡

ドイツの国民的ロックバンドFools Gardenのベスト盤『High Times - The Best of Fools Garden』が発売されているのでご紹介。Fools Gardenといえば「Lemon Tree」のヒットで知られ、過去には国内盤は発売されていましたので日本でも耳にした事がある人も多いと思います。Fools GardenBeatles直系のギターロックバンドで、バンド名からはもちろん、その楽曲群からもBeatlesの影響が強く滲み出ています。冒頭で書いた通り、本国ドイツでは絶大な人気を誇るFools Gardenですが、「Lemon Tree」のヒット、そしてその「Lemon Tree」が再収録された4枚目のアルバム『Go and Ask Peggy for the Principal Thing』「Lemon Tree」の楽曲自体は元々サードアルバム『Dish of the Day』に収録されていた)以降はここ日本では印象が薄くなっていたと思います。
しかしFools Garden自体はしっかりとした活動を続けており、2000年に『For Sale』(これまたBeatles直系タイトル)、2003年に『25 Miles to Kissimmee』、2005年に『Ready for the Real Life』とアルバムを発売しています。そして、その長いキャリアを総括するベストアルバムが『High Times - The Best of Fools Garden』という事になり、近年発売されたアルバムは入手困難になりつつある中、このリリースは嬉しいところだと思います。
そんなFools Gardenのベスト盤ですから、良い作品である事は折り紙つきで「Lemon Tree」の他にも「When I'm Sixty-Four」風が楽しい「Rainy Day」や後期Fools Gardenを代表する名バラード「Dreaming」、ポップなKasabian風の「Welcome Sun」、サビがoasis「Go Let It Out」にそっくりのフットボールソング「I Got a Ticket」があったりと思わずニヤニヤしてしまう楽曲が詰め込まれています。「Lemon Tree」、「Wild Days」、「Suzy」の3曲が再録音されているというのもありますが、ベスト盤とはいえ全体の統一感があり、Fools Gardenの一貫したサウンドとメロディを確認出来る好ベスト盤に仕上がっていると思います。惜しむらくは2000年代リリースのシングルで未収録のものが多い点くらいで、これは2枚組のライブ盤付きの方を購入すれば多少は解決するのですが、入手困難になりつつある音源は再プレスを期待したいところです。
あと、個人的にPeter Freudenthalerの声質が好きでして、柔らかなその歌声(The BluetonesMark Morrissに似ていると思う)が琴線に触れるわけでして、恐らくFools Gardenを初めて聞く人はドイツのバンドとはまず思わないだろうし、UKバンド以上にUKロックしている日本人好みのサウンドは、もっと受け入れられる可能性を秘めていると思います。
本文にも書きましたが、買うならライブ盤が付いた2枚組のこのCDをお勧めします。

High Times-Best of

High Times-Best of

また、Fools Garden fanclub Japanさんという充実したファンサイトが日本にも御座いまして、現在のところは残念ながら更新をストップされているようで、このベスト盤を機に再開が待たれるところで御座います。