Beatlesの『Past Masters』Stereoリマスター盤の雑感

という事で『Past Masters』Stereoリマスター盤の雑感を簡単に。
ご存知の通り『Past Masters』Beatlesのオリジナルアルバムに未収録の曲やレア・ヴァージョンを集めたコンピレーションで、Vol.1とVol.2の2枚が発売されていました。Beatlesの場合、アルバムに収録されていないシングル曲が多いので結果的に『Past Masters』がベスト盤の様な捉え方をされる事もありますが、あくまでもコンピレーションという扱いで良いと思います。今まで2枚バラバラで発売されていたものが2枚組になっていますので、これから『Past Masters』を買う人はリマスター盤ではまとめて購入出来るので購入する手間は省けますね。散々書いている事ですが、リマスターにより全体的に音の分離が良くなりクリアになっているので、今まで感じなかった音をこの『Past Masters』からも感じる事が出来ます。Vol.1に関しては「From Me To You」が新鮮ですね。モノヴァージョンに慣れた耳からすると少々不自然なミックスといえなくもないですが、イントロからハーモニカが消えててコーラスにスポットがハッキリ当たっているのが分かります。
Vol.1と比べるとVol.2の方は一気にリマスターの恩恵を受けているように感じます。アルバム未収録の曲はどれもが新鮮な印象を受けるのですが特に「Day Tripper」、「Lady Madonna」、「Revolution」「Don't Let Me Down」あたりは生々しさが増して迫力が違いますね。カセットテープを何度も聴いて歌詞を覚えたHey Judeも奥行きが出てるので臨場感が違う。「Don't Let Me Down」に関してはライブ盤の様な圧倒的迫力。後半の「Get Back」「Across The Universe」、「Let It Be」辺りはアルバムに収録されているバージョンとの違いを楽しめますし、「You Know My Name」なんて変てこな楽曲という印象が強かったのに、リマスター盤で聞くとその他愛の無さにBeatlesが唯一Jazzを意識した楽曲というのも手伝って愛おしく感じるから不思議です。
という事で、全体を通して色々な意味で『Past Masters』は聞きどころ多いですね。特にVol.2は一枚でBeatlesのコアの部分とレンジが広い部分が楽しめるという意味では『Magical Mystery Tour』に似た性質の一枚。シングルをリアルタイムで聞いてきたわけではない自分にとっては、物語は生まれていない作品ではあるけれど、大事な作品である事には変わりは無い。今回のリマスター盤で聞きなおして惚れ直したよ。
という事でここで一旦Beatlesリマスター狂想曲は終了。あとはThe Beatles In Mono』待ち。『Mono Masters』が楽しみ。

Past Masters

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