The Feeliesの再発盤『Crazy Rhythms』と『The Good Earth』を聞く
Beatles関連が一段落したのでまずはThe Feeliesの再発盤からご紹介。
この度Feeliesのファーストアルバム『Crazy Rhythms』とセカンドアルバム『The Good Earth』が再発されました。パチパチ。入手困難になっていて高値が付いていたアルバムだけに、リマスターされての再発は感涙もの(実は昨年もリリース情報があったんだけど、いつのまにか延期になっていましたよね)。ファーストアルバムのジャケットはweezerやチャットモンチーのジャケットに影響を与えているだけに見た事がある人も多いのではないでしょうか。
ファーストアルバムである『Crazy Rhythms』は今聞くとミニマルなサウンド構成は何となく単調に聞こえてしまうのですが、ポストパンクといえばポストパンクなサウンドで中毒性が高く、Feeliesといえば『Crazy Rhythms』という評価はこの辺が理由なのだと思います。Anton Fierの叩くドラムは非常に味があり、ツインギターと重なる事で混沌としながらも性急なサウンドと相性が良く、アルバム全体を通して印象的に響いています。タイミングが良い事に「Everybody's Got Something To Hide (Except Me and My Monkey)」のカバー(是非はともかくこのドタバタしたカバーも印象的)が収録されているのでBeatlesにドップリだった自分が次に聞くには持って来いの内容。
ファーストアルバム発売後にAnton FierはFeeliesを脱退していますので、必然的に『The Good Earth』ではリズム隊が全く別バンドの様に聞こえるのですが、これが良い方向に働いており、全く違った魅力を放っています。『Crazy Rhythms』から『The Good Earth』まで6年のブランクがありますので、音楽的変化は当然なのですが、ファーストで見せた狂騒的で混沌としていたサウンドがダイレクトに高揚感のあるタイトなものに変化しているのが凄い。ボーカルは儚さを得る事で崇高さを増し、パーカッションが紡ぎあげるリズムが快楽度を増幅させているようにすら聞こえます。良い意味でも悪い意味でもインディーズバンドでアートバンドでもあったFeeliesがロックバンドに変貌を遂げているのがこのセカンドアルバム。シューゲイザーバンドが60年代を夢見てカレッジロックをやっているようなサウンドは、枯れているようで実に瑞々しくもあり、世が世ならStone Rosesの様な存在になれたのになとすら思えます。Peter Buck(R.E.M)がほれ込んでプロデュースを買って出たのも納得。『Crazy Rhythms』より『The Good Earth』』の方がソングライティングの面では優れていると個人的には思っています。
ちなみに再発盤には再結成ライブの音源をダウンロード出来るコードも挿入されている。
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