今岡誠の退団会見に思う

今年は阪神タイガースも監督が変わって新体制という事で、あまり野球の話題は書いてこなかったのですがちょこっとだけ。
2009年は他の事に興味を奪われていたのもあるのですが、極端にいえば真弓野球がシックリ来なかったという事があって野球を見る機会が減りました(それでもかなりの試合をチェックしたし、Yahooドームに観戦にもいったんだけど)。近年のタイガースは良くも悪くもタイガースらしい部分を保ちながらもサプライズがありました。2009年はそれが極端に少なかったというのもあるし、長く同じメンバーや采配でタイガースを見てきた弊害かもしれませんが、とにかくシックリきませんでした。
そんな今年の阪神タイガースにまつわるニュースで一番印象に残るのは今岡誠の退団。実に阪神タイガースらしい選手がタイガースを去るという事で非常に残念。やれ「NOW岡」だ、「イ・マオカ」だと馬鹿にしていても現役のタイガースの選手の中でもトップクラスに愛着がある選手。退団会見の一問一答を全文を読んだのですが、非常に今岡らしく、また共感できるものだったので抜粋。

−−やり残したことは
「ちょっと表現が違っているかもしれないが、気持ちをスカッとさせたい。いろんな意味でスカッとさせたい。1個1個言ってもあれなので」


で、何故か同じ事をもう一回聞かれているのですが今岡はこう答えています。

−−やり残したことは

「野球選手なら毎年3割残さなければ、やり残したことばかりになる。純粋に、このままもやもやしたまま、いらいらとしたまま、ユニホームを脱ぎたくなかった。とにかく一歩踏み出して、光というか、スカッとさせたい。純粋にそこです」


あとはこの受け答えが実に今岡らしい。 

−−阪神への愛着は

「愛着というか、育ててもらったのでね。野球選手として13年間残したものもそうだが、育ててもらった。だからこそ迷うんです。そういう感情がなければ、何の迷いもなく引退。僕はそう思う」


これは野球選手だけでなくミュージシャンだとしても同じだし、ひいては長く続けたものを辞める時の全てに当てはまると思うんですよ。自分を育ててくれたものを辞める時ってやっぱりスカッとしないと辞められない。

最後に本人が

−−持っているけがについて

「野球選手として、けがはあるが、結果として2軍に行きなさい、レギュラーをはずれなさいという世界。そこに対して何もないが、ただ僕としては今年に限って、このままユニホームを脱ぐタイミングではないなと。これは自分の勝手な感覚なので」

こう言っている以上、今岡誠にとっては今はそのタイミングではないのだと思うし、その感覚は何となく信頼できるものだと思います。だから思う存分スカッとするまで続けて欲しいし、その権利を得られるほどの実績を残しているわけですから、心の底から応援したいと思います。他球団に行っても心から応援出来る気持ちになったのは今のところ新庄と今岡だけ。退団会見の笑顔を見てしまうと、天才今岡誠が間違いなく復活するのでは無いかとすら錯覚させられる。その感覚を自分も信じたいと思っています。あともしも退団の理由の中に高年俸があるのであれば、阪神タイガース今岡誠のPLの先輩でもある坪井智哉の例に倣って再雇用の道を残しておくべき。という事でクライマックスシリーズはまったりと観賞予定。