The Leftoversの『Eager to Please』は新世代のパワーポップを代表する作品だ

The Leftovers待望の新作『Eager to Please』には錚々たる面子のゲストが参加しており、2009年のパワーポップ・ポップパンクを代表する一枚に仕上がっていたのでご紹介。
The Leftoversといえば、パワーポップリスナーの中では前作『On The Move』が話題になっていたと思うのですが、今作『Eager to Please』では更にご機嫌のパワーポップナンバーが詰め込まれた金太郎飴的な一枚になっています。
そして錚々たるゲストは以下の面子。MC Larsの傑作アルバム『This Gigantic Robot Kills』にも参加していたBrett Anderson(The Donnas)Parry Gripp (Nerf Herder)、そしてLinus Of Hollywoodはプロデュースでも参加(ちなみにThe LeftoversはOglio Recordsに所属しており、Nerf HerderMC Larsともレーベルメイトということになり、良作を連発している注目のレーベル。Roger Joseph Manning Jr.も所属) 、更にはCoz Canler(The Romantics)、そして何とKim Shattuck(The Muffs)!!Kim Shattuckに関しては取り合えずMuffsとしての新作も待ち遠しいのですが、このアルバムでも相変わらずの存在感ある歌声を披露してくれているのが嬉しいところ。Kim Shattuckがボーカルとして参加しているのは「Get to Know You」「Party Til We Die」の二曲。「Party Til We Die」は様々なゲストボーカルが入り乱れるラモーンズ風のパーティロックでオリジナルはThe Rubinoos。この曲では何とご本人のJon Rubin(The Rubinoos)までゲストとして引っ張り出して来ているという素晴らしさで、ツボを抑えまくった参加アーティストがアルバムを彩っています。
もちろん、ゲストの素晴らしさに負けないほど楽曲のレベルも高いですし、シンプルな歌詞とサウンドは基本的にはパワーポップの範疇にあるものの、「Thinking About Her」の様に「All My Loving」(もちろんThe Beatles。このアルバムはBeatlesサウンドも随所に感じられる)の系譜にあたる様な普遍的な楽曲があったりと、抜けの良いサウンドを聞かせてくれています。The LeftoversはスリーピースバンドでどうしてもThe Queersも想像させるのですが、実際にドラムのAdam Woronoffはメンバーの入れ替わりの激しいQueersで叩いていた時期もあり、Queersの正しいエッセンスも継承している様に感じます(今年発売されるであろう新譜も楽しみ)。
MC Lars『This Gigantic Robot Kills』は新世代のラッパーがロックとの架け橋を作った作品であるなら、The Leftovers『Eager to Please』は新世代のパワーポップを代表する作品になっており、ゲストの人選からも通じる何かを感じる事が出来ます。当然どちらのアルバムも2009年を代表する作品に仕上がっており、Lyme-Records的年間ベストアルバムにもランキング入りする事が有力なので未聴の方は是非どうぞ。

Eager to Please

Eager to Please

The Leftovers "Dance With Me"