矢野 輝弘捕手の引退に寄せて

阪神タイガースの矢野 輝弘(現在は改名しているので矢野 燿大)選手が引退を発表した。


最近、阪神タイガースに関して前ほどブログに書かなくなったのは、丁度チームの過渡期というか、自分が思い入れを持って野球観戦していた時代のメンバーが居なくなっている時期だからで、もちろん、野球は熱心に観戦するし、細かくチェックもしているのですが、完全に手放しで応援出来ない気持ちがあったのも確か。
昨年も今岡選手の退団や赤星選手の引退があって、同じ様な気持ちになったのですが、やっぱり矢野の引退も格別な想いであります。前者の場合は予期せぬ退団や引退だったのですが、矢野の場合は来るべき時がついに来たという印象の為、それほど驚きは無く、ただただ感傷に浸るばかり。まあ大抵のタイガースファンからしてみたら、矢野という捕手に関しては感謝の気持ちしかないと思います。もちろん、それだけの結果を残しているのは確かなのですが、多くのファンが彼を悪く言わないのは彼の真面目で熱血漢な人となりが評価されているからなのだと思います。彼が1998年にタイガースに中日ドラゴンズからトレードでやってきた時は、タイガースは暗黒時代真っ只中で、当然捕手も固定化されていない時期でしたので、そこから11年間の長期に渡って正捕手に困らないなんて想像も出来ませんでした(その後、日本最高峰のキャッチャーが後を引き継ぐなんて事はもっと想像できなかったけど)。印象に残るのはそのやたらと勝負強い打棒と勝利の後に見せる最高の笑顔。笑顔が印象に残る野球選手なんて後にも先にも出てこないと思いますし、これほど投手に全面的に信頼された捕手も中々いないと思います。何より、40歳を過ぎての引退でありながら、これほど引退を惜しまれるという時点でその選手の素晴らしさは分かるというもの。
そのスマートな出で立ちと、外様である事を忘れるくらいチームに貢献したという部分は現監督と重なりますので、いつの日か来るかもしれないタイガースでの監督を楽しみにしたいと思います。きっと有望なコーチに囲まれて、選手に信頼される監督になる事は間違いないですので。
今はそらもう『お疲れさん』よ。