永遠の野球小僧

伊良部秀輝が亡くなった。
タイガースファンにはパブリックなイメージとはかけ離れた、繊細でストイックな人物像とお喋りで陽気な人柄が伝わってきており、今回の訃報も世間的には驚きの反応がほとんどだったと思うのですが、自分はちょっと違う印象を受けていました。ヒールな印象がつきまとっていた伊良部選手ですが、個人的には全く悪い印象も無く、2003年のリーグ優勝に貢献してくれたという感謝の気持ちで一杯でした。一言でいえば夢の塊みたいな選手で、ロッテ時代の全盛期に残した様々な逸話、大リーグに渡った経緯もさることながら、大リーグからタイガースに入団したという事自体も夢みたいな話だったし、全盛期のロッテ時代とは違う円熟味のある投球スタイルで、いきなり優勝に貢献するなんて出来すぎた話でした。亡くなった事がきっかけでマスコミによって作られた偏ったイメージが、本人と親しい人達から零れてくる話によって、徐々に正しい人物像へ導かれていますが、亡くなってからではあまりにも遅すぎたのではないかと思います。本人の希望通り、三軍のコーチをやって欲しかった。永遠の純粋な野球小僧があっちでも投げていますように。合掌。