プレミアム商品券のメリットと問題点を考えてみた【2015年度版】

2015年は全国各地でプレミアム商品券が販売されます。
恐らく、5月ぐらいから色々な地域で話題になってきているのではないかと思います。
個人的に運営のサイドにも参加させて頂いて、色々な感想を持ったので書き留めておきたいと思います。

※全然、音楽ともTシャツとも関係のないお話です。


このプレミアム商品券がなぜ話題になっているかというと国の施策の一部として大々的に予算が組まれているからで、商店街や消費者からするとメリットが大きい商品券だからです。
このプレミアム商品券が含まれる地方創生の交付金は「地域消費喚起・生活支援型」に分類され、いわゆるアベノミクスの一環なのですが、支援総額は2483億円という金額になっています。プレミアム商品券として商品券にプレミアムをつけて販売するという方法が一般的で、プレミアムの金額が販売額の20%というところが多く、例えば1万円で1万2千円分の商品券が買えちゃうというわけです。この場合、還元率でいえば20%(割引率でいえば16.7%)にもなりますので、消費者からするとかなりお得なわけです。消費者のデメリットしては有効期限が2ヶ月〜6ヶ月という感じで区切られていますので、有効期限内に使用する必要があるということでしょうか。
もう一方で商品券を発行する側(自治体や商店街など)の最大のメリットとしては、商品券によって消費が喚起されて売り上げが上がるということ。当然、自治体であれば税収にも繋がります。
この施策のミソは発行する側の負担・デメリットが限りなく低いことで、今までの施策ではプレミアムの金額の一部や運営費の一部が補助されるという形だったのですが、今回の施策はこれらに対してもしっかりとした助成金がでます。例を挙げると、プレミアム商品券を商店街で作るとします。まずプレミアム金額が10〜20%であれば発行団体の負担額はなく、自己負担を念頭に更に上乗せも可能。そして、プレミアム商品券を発行するための運営費(商品券の印刷代、販促費、イベント運営費)に対して、助成金が振り当てられます。運営費に対する助成金は発行する(印刷する)商品券の冊数に応じて上限が決められていて、その予算の範囲内であれば発行者側の負担はないということになります。予算の上限の具体的金額は控えますが、普通に良心的な業者を探し運営すれば予算の範囲内で運営することは十分に可能だと思います。
つまり、発行者側からすると非常に取り組みやすい事業だといえるわけです。ただ、これは当たり前のことですが、しっかりとした事業計画の元で運営しないといけないわけで、申込の段階から様々な申請のための資料を作成する必要があります(※申請等の業務を業者に委託することも可能で、経費として認められる)。さらに経理的な面ではかなり細かい部分が求められますし、イベント運営の面ではしっかりとした組織化も必要で、ノウハウのない小規模な商店街などの場合、多少のハードルは存在すると思います。
ただ、その辺を差し引いても商店街などが取り組むメリットはかなり大きいと思うし、発行団体の創意工夫があればイベント性を打ち出すことで相乗効果も生まれると思います。その点で見れば単に商品券を配ったり、現金がばらまかれるという施策に比べると経済効果は期待できるのではないかと思います。

あとは、個人的に考えた問題点というか課題は以下の点。

・防犯や不正(発行者側も含む)などに対する対策
自治体が主催するプレミアム商品券と商店街などが発行するプレミアム商品券との棲み分け
・大型店舗の参加の是非
・一時しのぎにならないための継続性(ばらまき批判)

※文中の内容・表現に関しましては自治体や発行団体において違いが御座いますのでご了承ください。

ということで長々と書きましたが、地元の野芥のまちでもプレミアム商品券を発行します。
商品券のデザインからHPまで作成をお手伝いしておりますので、何かの参考になればと思います。
恐らく規模でいえば全国でも最小に近い規模だと思いますが、発行冊数と運営の力のいれ具合は全国でもトップクラスなのではないかと思います。各メディアの皆さまも取材の方を宜しくお願いいたします。題目は「小さくても出来ます。商店街からの地方創生」とか何とかで。

宜しければご参考までにどうぞ。

野芥のまちプレミアム商品券インフォメーション

http://noke.information.jp/

ちなみに福岡市から販売されるプレミアム商品券はこんな感じ。個人的にも抽選には申し込むつもりです。

地域創生のデザイン

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