SONICMANIA 2013でみたもの

SONICMANIA 2013の雑感
交通の便に関しては前回のエントリーに書いたので省略。今回は本編の感想を。
とその前に自分はプラチナ・チケット・アップグレードを購入したのでその感想から。プラチナ・チケット・アップグレードの詳細はこちらを参照頂くとして、果たしてこのチケットが10,000円の値段相応の価値があったのかどうか。

結論から言えば、自分にとっては10,000円の価値はあったという結論。自分のように体力に自信がなくて、ライブを比較的ゆっくり見たいというスタンスの人、そして遠方からの参加で荷物があり、クロークに預ける必要がある人などには特に価値が高いチケットだといえると思います。今回のソニックマニアはチケットがソールドアウトになっていたことからも分かる通り、会場はかなり混雑していましたし、ドリンクを買うにもクロークに荷物を預けるにもかなりの時間並ぶ必要がありました。クロークは確か1,000円だったはずだから、クロークが無料というのも大きいし、専用のラウンジがある為、ほとんど並ばずにドリンクを購入できるというのはかなり楽でした。その辺の時間の浪費や労力を考えると、決して高いチケットではないとは感じました。また、トイレも専用のトイレがあるし、女性は特に助かるのではないかと思います。
ただし、プラチナ・チケットがあれば入れるViewing Areaは前方ではあるものの想像以上に斜めの角度で見ることになるので、単純にライブを前で見る、正面で見るという意味では特にメリットがありません。しかし、基本的にViewing Areaは空いているので自由に動きが取れますし、中途半端な時間からライブを見ることになってもスムーズに前方に進めますし、ギュウギュウになることなく思いっきり踊ることも出来ました。この辺に大きなメリットがあると思います。とにかく、人混みと行列を回避できるのは体力の温存になることを身をもって思い知らされましたので、次回もソールドアウトになるほどのアクトの場合は、購入しようかと思います。ちなみにこのプラチナ・チケットは800枚限定だったようですが、ソールドアウトにはなっていませんので、運営側がどう判断するのか。8,000円ぐらいだともっと売れるとは思いますが、売れすぎるとメリットが薄くなるのでさじ加減が難しい。
ということで本編のお話。
自分がメインで見られたのはPerfumePet Shop BoysThe Stone RosesPet Shop Boysと被る電気ヴルーヴは最初の10分のみ。あとはサカナクションとJUSTICEを最後に少しずつ見ました。

まずPerfume
何を隠そうPerfumeのライブを見たのはこれが初めて。『Perfume〜Complete Best〜』の初回盤から予約して音源は購入し続けているわけで、7年間も聞き続けていたのにタイミングが合わずに実物を見られていませんでしたし、ようやく福岡にライブでくるタイミングには既にブレイクしていてチケット入手困難ではあったので、念願といえば念願。で肝心のライブなんですが、もうね、これ「掌握」という言葉が一番シックリきました。会場を包む異様なテンションに、キャラが確立しているというレベルを凌駕した三人の個性とパフォーマンス。彼女たちは既にアイドルという枠を超えてパフォーマーである事を改めて認識。「だいじょばない」の振りをフルで初めて見たんですが、カロリーを消費しまくるであろう熱量が溜まりませんでした。気持ち悪いことを承知で書きますが、確かにあーちゃんは天使に見えたし、かしゆかは女神に見えた。困り顔の切なさがハンパなかったのっちはしばらく考え込んだけど、ありゃ多分菩薩だな。

次はPet Shop Boys
一気に客が引いたので心配だったのですが、そこは大御所。徐々に年配の人が増えてきました。細かいステージングの演出やパフォーマンスがいちいち小粋で良かったのですが、根本にある馬鹿馬鹿しさが素晴らしくて感動しました。当然完成度も高いし、サービス精神に溢れるステージだったのですが、一番ビックリしたのはNeil Tennantの変わらない声。来年還暦とは思えない瑞々しさで、一瞬でも口パクを疑った自分を反省。圧巻は最後に最新のアルバム『Electric』から「Vocal」を持ってきたことで、この曲がバキバキに上がって盛り上がりました。「Go West」やって「Always on My Mind」やって「West End Girls」もやったのに、その後の「Vocal」で最高に盛り上がるなんて尋常ではないセットリストだと思います。老いては益々壮んなるべしを地でいくようなバイタリティで、インディーズから出した『Electric』が、近年の作品で最もアグレッシブな作品になっていたことも納得。「Thursday」が聞けなかったことだけが、やや残念。

そしてThe Stone Roses
何といってもStone Rosesだからこそ遠方から駆けつけたわけでして、万全を期してライブに挑みました。羽を一枚ずつもがれるような解散間際の騒動を知っているだけに4人の立ち姿を見た瞬間は、とにかく「イアン本当に良かったね」という言葉しか見つかりませんでした。自分は2005年のサマーソニックIan Brownを見ていて、その時に「I Wanna Be Adored」「Made Of Stone」「Waterfall」は体験しているのですが、もちろん、その時とは全く違う感覚でライブを見ていました。まず第一にJohn SquireReniのブランクがどれだけ埋まっているのか、そのことにどうしても目がいってしまう。正直に書くと、Reniは思った以上に叩けているんだけど、John Squireはまだ本調子ではないと感じました。まあJohn Squireの場合、神格化されている部分もあるかと思うのですが。でも、随所に煌めくようなフレーズはあったし、歌うように駆け上がるギターは健在で、Stone Rosesにはボーカリストが2人いるということをライブで体験出来たのは確か。15年以上4人で演奏していないわけで、そのブランクが1年間で完全に埋まるなんてとても思えなかったけれど、少なくとも失われた時を4人が少しずつ埋めようとしている姿は感動的だし、リスタートという意味では上々の仕上がりではないかと思いました。セカンドの楽曲でオーディエンスの反応がやや鈍かったのは仕方ないけれど、個人的には「Love Spreads」に「Breaking Into The Heven」をやってくれて良かったなーと。とにかく『Second Coming』を消化しないとサードアルバムには進めないと思うし、その意味では確実にStone Rosesは前に進んでいると確信しました。
あと、「Fools Gold」で「Day Tripper」や「Driving South」のリフをJohn Squireが入れるのが恒例になっていて、この日もそういった遊びはあったのですが、「Driving South」のリフがどうしても「Walk this Way」に聞こえるという新たな発見がありました。まあどうでも良い発見なのですが。
サカナクションのライブも少し見られたのですが、楽曲が想像以上にミックスされていて完全にダンスアクトと化していました。パフォーマンスも含めて、あれだけ分かりやすいと取り付きやすいと思うし、これだけ人気が出るのも理解できました。どうでも良い発見ですが、サカナクションのパフォーマンスを見ていると、どうしても自分にはキュートンに見えてしまう瞬間があったのは確か。前々から思っていたけど、この日、生で見て発見から確信に変わりました。

最後にJUSTICEを見てから駆け足で帰りました。高速の「D.A.N.C.E.」のリミックスにJunior Senior「Move Your Feet」や「You Can't Hurry Love」に「I Love Rock N Roll」など大ネタ使いで楽しかったです。今度はじっくり見たいと思わせる内容で、後ろ髪を引かれながら幕張を後にしました。
以上、感想という名のソニックマニアの備忘録でした。