『あまちゃん』&「潮騒のメモリー」の見習うべき販売戦略

今朝になって連続テレビ小説あまちゃん挿入歌潮騒のメモリー緊急発売決定!みたいなニュースで賑わっていました。こんな事を書くのは無粋だと分かっていますが、もちろんこれは緊急発売でも何でも無く、鉄拳の作品との連動を考えても周到に準備された販売戦略。凄いのはCDの発売がドラマの内容と連動していることで、鈴鹿ひろ美の影武者が天野春子だったことが明らかになったタイミングでの発売決定のニュース。長いスパンのドラマである朝ドラの特性を考えた上でもあるし、満を持しての販売戦略に頭が下がります。付け加えれば、「影武者」というキーワード自体が、天野アキ自身にも過去に影武者の経験をさせることでキッチリとリンクさせているし、どこまでも考え抜かれたプロットだと思います。
さて、あまちゃん関連の音源はサントラに始まり、多岐に渡るのですが、そのどれもが魅力的な商品で充実の品揃えになっています。ドラマのファンにはサントラを、甲子園や運動会で使いたければブラスバンド仕様の『あまちゃん ぶらばん』を、カラオケ世代には「潮騒のメモリー」を、80年代を共に過ごした世代には『春子の部屋』を、現代のアイドルファンには「暦の上ではディセンバー」をと、実に過不足なく幅広い世代が楽しめるように音源が準備されています。
この辺の痒いところまで手の届く様な販売戦略の描き方や、音楽を再評価する際の見せ方を含めて、驚異的なドラマだと思います。一連のあまちゃんの音源はCDを買う世代がCDをスムーズに手に取れる久しぶりの機会といっても差し支えないと思うし、これが音楽業界の最後の花火にならないように、見習うべき点は多いと思います。
当然ですが、宮藤官九郎は年末の紅白歌合戦の絵までも描ききっていることと思います。とにかくそれまでは来るべきシリアスに向けて、あまちゃんをゆっくりと楽しみたいと思います。

こんなタイミングで有村架純がブレイクのキッカケをつかむとは思わなかったけど、個人的にはあまちゃん能年玲奈有村架純ダブルヒロインだと思っています。小泉今日子14年振りのシングル!といううたい文句も目につきますが、小泉今日子は音楽活動自体もしっかりと行っている人で、良質なアルバムをずっと発売し続けていることも付け加えておきます。
Koizumi Chansonnier(初回盤)

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