岡村靖幸コップと『エチケット』が届く


という事で、『エチケット』が届きました。岡村靖幸 公式HP 準備サイトで発表されていたタワーレコードの特典であるコップに惹かれてタワーレコードで久し振りに購入。無事に到着致しました。HPをシッカリと確認せずにコップが2個届くと思っていた事は内緒です。内容に関してはシッカリ聞いてからレビューを書きたいと思うのですが、その概要に関して少々。ディスクユニオン経由の流通で届けられた今作はご存知の通り新作ではなく、過去の作品を岡村靖幸自身が再録音(ライブ音源を含む)、再構築して世に送り出した作品です。そして、新作でない音源に2,800円×2枚という価格設定は高級品そのものだと思いますし、熱心なリスナーしか購入しないであろう作品です。どちらも9曲入りで2枚合わせて80分を僅かに超える収録時間はギリギリ一枚のCDには収まらないものの、普通に考えれば内容をシェイプさせて1枚組にするのか、2枚組という形態(価格は3,500円といったところでしょうか)で発売するか、そのどちらかになると思います。また、この音源をバラで買う人はほとんどいないでしょうし、装丁や商品そのものにお金が掛かっている訳でもありません。むしろ、ジャケットの写真もカラーリングを加工して眼鏡を加えただけの岡村靖幸の回復したビジュアルに頼ったものだし、歌詞カードを含めたCDの作りやその他の細かな部分もインディーズらしい非常に簡素な商品だと思います。という事で、どこをどう考えてもこの2つの音源を2枚に分けて発売する制作上の必要性は無い訳でして、CDがクソ売れない時代にお金を落としてくれる人のみを狙った販売形態、ハッキリと厳しく書いてしまうとこれはお布施の意味合いが強い作品だと思います。
でも今までの経緯を知るリスナーからすれば、岡村靖幸自身の意思以上に重要視されてしまう部分があって、彼は周囲にとんでもなく恵まれている事でスムーズな再起を果せている訳でして、その代価が必要になる事も理解出来ているのだと思います。だから過保護だと分かっていても、どんなに駄目になったとしても、彼に再起を果そうとする意思がある限り支援したいと思うのだろうし、そう思わせるだけの魅力が彼の作り出した楽曲にはギッシリと詰め込まれている事は紛れもない事実だと思います。
そんなリスナー達が本当に待っているものは、彼が生み出す新しいメロディとサウンドだと思いますし、次こそは初めて岡村靖幸を聞く人にも届く音源が発売されるべきで、過保護なリスナーに恵まれた岡村靖幸が果たすべき本当のエチケットはそこにあるのだと思います。
CD Journalは加工されていない元写真が表紙。リスタートのベースになっているこの写真には、やっぱり高まる期待を禁じ得ない。

CD Journal (ジャーナル) 2011年 09月号 [雑誌]

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