SNOOZERの廃刊について今更考える

という事で今更ですがSNOOZERの廃刊について少々。SNOOZERに関しては自分より若い世代の方が直接的な影響を受けた音楽雑誌だと思いますし、実際に創刊時はROCKIN'ONのライターの人が創刊した雑誌という認識程度で購入はしていませんでした。でも周りが購入しているのを見て、取り合えず買い始めたというのがSNOOZERを買うキッカケだったと思います。結局創刊号を含め数冊は買い逃しているものの、一応ほとんどのバックナンバーが我が家にはあります。とはいっても、多くの読者が共有していたであろう特別な感覚も無く、雑誌自体へ深く傾倒していたかといえばそうでもなく、田中宗一郎氏に関しても特別深い思い入れはないのですが、やはり情報媒体、読み物としての面白さはあったと思うし、雑誌としてのスタンス、ROCKIN'ONとの関係性を含めて非常に印象的で楽しませてくれた音楽雑誌でした。ロック系のクラブイベントに関わる人間としては、1990年代後半のclub Kとclub SNOOZERは避けて通れないイベントだったし、それぞれのイベント間や雑誌間の絶妙なアングルが実にプロレス的で、ロックを主体にした雑誌やイベントらしい存在感を持った媒体だったと思います。最終号の中で雑誌の廃刊に当たり、様々な問題を改善してリニューアルという形を取らずに終わらせるという選択を選んだという件は納得がいくものでありましたし、「終わらさないと、始まらない」「スタイルが変わったら、よくも悪くもすべて変わっちゃう」という言葉は田中宗一郎氏が書いてきたどのレビューよりも説得力を感じました。
2011年はSNOOZERの廃刊に中村とうよう氏の死去もあって、音楽業界が激変していく中、音楽雑誌にも大きな事件が訪れた一年として記憶に残っていくのかもしれません。始まりと終わりは世の常ですがいつの間にか自分も歳を重ねてしまいました。雑誌が無くなっても継続されるclub SNOOZERには、線と点を繋ぐ様な音楽を共有するコミュニティとして貴重な役割を果たし続けていって欲しいと思っております。
ネット通販では品切れの様で定価以上の価格がついていますが、書店では普通に買えるようですよ。

snoozer (スヌーザー) 2011年 08月号 [雑誌]

snoozer (スヌーザー) 2011年 08月号 [雑誌]