Sophie Ellis-Bextorの『Make a Scene』に集う豪華なプロデューサー

Feeling『Together We Were Made』をご紹介した流れに乗って、ベースのRichard Jonesの嫁であるSophie Ellis-Bextorのニューアルバム『Make a Scene』をご紹介です。
『Make a Scene』の概要に関しては何度か当ブログでもご紹介しているのでザックリと書きますが、目玉としては豪華プロデューサー陣の参加(Greg Kurstin, Freemasons, Biffco, Calvin Harris, Armin van Buuren, Benno de Goeij, Junior Caldera, Julien Carret, Richard X, Liam Howe, Future Cut, Metronomy, Fred Ball, Ed Harcourt, Dimitri Tikovoi)があって、中でも元々はRóisín Murphyのセカンドアルバム『Overpowered』の為に作られていてRóisín MurphyCalvin Harrisに提供された「Off & On」という楽曲の仕上がりに注目していました。という事で発売前から期待が高まっていた『Make a Scene』ですが、結論から書くと非常にクオリティの高いダンスアルバムに仕上がっており、プロデューサーの名前に違わない作品になっていると思います。
特にアルバムの冒頭から「Revolution」「Bittersweet」「Off & On」「Heartbreak (Make Me a Dancer)」と続く流れは圧巻で、これでもかとフロア向けの楽曲が詰め込まれています。アルバムの後半にもMetronomyが手掛けたホーンと融合したダンスサウンドが面白い「Make a Scene」や、シンガーソングライターのEd Harcourtがプロデュースに参加しており、意外な組み合わせ(Ed Harcourtは元々モーグ全開でSNUGというバンドをやってましたから、ダンスミュージックに無縁という訳ではないのですが)ながらアルバムのエンディングを飾っている「Cut Straight to the Heart」等の楽曲が収録されており、豪華なプロデューサーはそれぞれに良い仕事をしているのが印象的です。
ただ、アルバムの発売までに時間が掛かってしまった為、弊害もある訳で、例えば「Heartbreak (Make Me a Dancer)」Fierce Angelのコンピレーション「The Collection」にも収録されている2009年のヒット曲だし、「Can't Fight This Feeling」「Bittersweet」「Not Giving Up on Love」等のシングルは2010年の曲、「Off & On」は2007年には出来ていた曲なので、やはり統一したコンセプトを持った2011年のアルバムという印象よりもコンピレーション、ベスト盤的な印象を抱くのは確かだと思います。あと、Sophie Ellis-Bextorが絶対的なポップアイコンになる為に欠けているのは下世話で大衆的な部分で、ハッキリと書けば分かりやすいエロスの部分だと思うし、そのスマート過ぎるサウンドとイメージで損をしているように思います。でもその辺を差し引いてもSophie Ellis-Bextorの存在が日本では全く認知されていないのは勿体無さ過ぎますし、『Make a Scene』Sophie Ellis-Bextorの入門盤としては十分に機能しているのではないかと思うので、ぜひどうぞ。DJの皆様もフロアのお供にぜひどうぞ。

Make a Scene

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