Take Thatの『Progressed』の楽曲が『Progress』に未収録だった理由

Feeling『Together We Were Made』Sophie Ellis-Bextor『Make a Scene』をご紹介した流れに乗ってTake That『Progressed』のご紹介です。
『Progressed』は2010年のモンスターアルバムであり大傑作である『Progress』をアップデートする形で8曲入りのEPを追加し、2枚組という形でリリースされています。このEPはアルバムから洩れた楽曲が中心とはいえ決して侮れない内容で、当然サウンドのタイプとしては『Progress』の延長線上にあるのですが、全曲馬鹿みたいに高いクオリティの楽曲が収められています。収録曲の中ではX-Men: First Class」の主題歌としてリードシングルになっている「Love Love」という楽曲が目玉にはなるのですが、何といっても「Beautiful」という楽曲が素晴らしくて、Gary Barlowが書いた数多くの楽曲の中でもかなり上位に入る名曲だと思います。他にも「When We Were Young」は広がりがあってTake Thatらしいスケールの大きなバラードだし、「Man」『Progress』路線のダンスポップの佳曲、エンディングの「Wonderful World」Mark Owenらしさの出たミドルテンポの英国風ポップソングで印象に残ります。じゃあ何でこれらの楽曲が『Progress』に収録されなかったのかというと、やっぱり入れる場所も必要性も無かったのだと思いますし、『Progress』が曲順や構成に至るまでほぼ完璧なポップアルバムであった証明にもなっています。このEPの8曲中6曲でGary Barlowリードボーカルを担っており、ソングライティングを含めてGary Barlow中心のEPであり、『Progress』を補完する事でGary Barlowの底力というか、溜まりに溜まっていた創作意欲が大爆発しているという印象をより強く残す結果になっていると思います。Gary BarlowTake Thatの歴史やソロキャリアを振り返った時、不遇な時期もあった訳ですが、ここにきて屋台骨としての存在が実を結び、アーティストとしての充実期を迎えた事を嬉しく思います。思えばGary Barlowのセカンドソロアルバム『Twelve Months, Eleven Days』も非常にダンサブルなアプローチが印象的だった訳で、『Progressed』までの長い道のりを経てGary Barlowの目指したサウンドが結実した様で感慨深く思います。
という事で、『Progress』を買っていない人は迷わず購入して欲しい『Progressed』ですが、もちろん『Progress』を購入して気に入った人にも必須だと思います。ぜひどうぞ。

Progressed

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