好き好き鈴木先生 - lyme-records's blog

「鈴木先生」が面白い。超低視聴率なこのドラマですが、個人的には今クールのドラマで一番な事はもちろん、ここ数年のドラマで一番熱心に見たドラマかもしれません。大前提として原作の素晴らしさがあるものの、根幹となるストーリーは可能な限り丁寧に細部まで描かれており、さりげない伏線の回収も含めて高いクオリティのドラマではあるのですが、勧善懲悪で裁ききれない価値観や問題を上手く消化していく事で、リアリティを持たせているのが素晴らしいし、学園ドラマの枠に収まりきれない一番リアルな学園ドラマに仕上がっていると思います。
「鈴木先生」というタイトルながらあくまで主役は「鈴木学級」だし、あくまで先生は物語の語り部というかバランサーやガイド役でしかなく、何よりも才能ある子役達が生き生きと演技をしている事が画面から伝わってきて、その事が生徒が主役である事をハッキリと浮かび上がらせる重要なファクターになっています。生徒役の土屋太鳳（小川蘇美役）はシャープさが出てくれば女優として大きく育ちそうですし、未来穂香（中村加奈役）に関してもヒロインとしての圧倒的な存在感があります。前田敦子版「花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜」にも抜擢されている西井幸人（岬勇気役）も今後引っ張りだこでしょう。北村匠海（出水正役）も将来性十分だと思うし、演技力に長けた小野花梨（河辺彩香役）と藤原薫（竹地公彦役）のカップルにも、役者として大きな可能性を感じます。他にも「鈴木先生」には非常に印象に残る有望な生徒役が目白押しで、まるでドラフト会議前の指名有力選手を見守る様な心境で熱心にドラマを見てしまっています。他の配役に関しても臼田あさ美に対しては若干の違和感（もう少し聡明さのある女優さんがイメージなのですが）を感じるのですが概ね不満が無く、富田靖子を筆頭に山口智充、田畑智子、夕輝壽太と中々味わい深い配役となっています。音楽面でもROCK'A'TRENCHの「光射す方へ」はオープニング映像とのシンクロがハンパないし、数ある尾崎豊のカバーの中でも出色の出来の馬場俊英「僕が僕であるために」もエンディングに染みます。
そんな「鈴木先生」も来週がいよいよ最終回。最終回である事が寂しくもある反面、ようやく原作を読む事が出来るという楽しみもあります。とにかくまあグダグダと書いてきましたが、DVD-BOXを買おうかと悩む事が出来るドラマに出会えた事を嬉しく思います。
見逃している方はBSジャパンで7/2（土）夜10時より再放送があるぜよ。