キングオブコント2010の雑感

キングオブコント2010が終了したので感想を。
展望を考えるまでも無く、気付けば開催されていましたので駆け足で録画したものを鑑賞。優勝はキングオブコメディでいつもの通りの安心の仕上がりでしたが、個人的には噛みまくった為に、若干テンポに狂いが出ていた2回目の方が高得点だった事だけは少々疑問。まあ、ピースの2回目の高得点の影響で、相対的に得点が上がったというところなんでしょうか。
ピースの「化け物とハンサム男爵」のネタは初見で、今まで見たピースのコントの中でもダントツに面白かったのですが、結構前から温められたコントなんですね。元もとの設定の妙があったし、2人の露出が増えた事もキャラクターの成熟に一役買って、今回の大会で一気にブレイクしたのだと思います。恐らく現時点でダントツの仕上がりなのが今回のコントでしょうから、このレベルのネタを揃える事が出来るのであれば、来年はピースの優勝間違い無しだと思います。
TKOの1本目のコントは鉄板ではあるものの、見慣れたコントですので、2本目とのメリハリをつける事には成功したものの、全体を通せば爆発力が足りなかった様に思います。
ジャルジャルに関しては、物凄く極端に評価が分かれて(というか圧倒的に酷評が多いみたいですが)いますが、やりたい事はハッキリとしていて、ある意味2本目は彼らが目指す削ぎ落とされたコントで、完成形に限りなく近いのではないかと思います。良くある妄想系のコントや、完全にありえないシチュエーションコントとも一線を画した、ありそうだけどありえない妄想の一点のみを押し広げるというコントを、実際に形にして演じ切れるという点は感心します。一般受けを狙った分かり易い方向に逃げずに、勢いを増しながら自分たちのやりたい事を深く掘り下げて結果を残したので、昨年の汚名は返上出来たのではないかと思います。
ラバーガールは1本目が上手く「はまった」のですが、2本目は「はまらなかった」のが残念。これはもう現場に居なければ分からない部分があるのですが、狙いと現実のズレが若干出た事が、その場で「はまらなかった」だけで、点数での比較以上に惜しかったのだと思います。
残念といえば、しずるは1本目の出来が良かっただけに残念。彼らの持ち味である芝居調の構成力が、バランス良く発揮されていた1本目に比べると2本目は明らかに笑いの絶対量が少なくて、上手さだけが印象に残るという皮肉な結果に。
ロッチも思ったより点数が伸びなかったのですが、全体的に中岡色が薄くバランスが悪かった事と、ネタは良いのに出来が悪かったのに尽きると思います。でもロッチはあれで良い様な気がしてしまうのが不思議。
エレキコミックは本来の持ち味であるアドリブ力が活かされれば、もう少し何とかなったと思うのですが、ある意味一番美味しかったと思うので、これをステップにトークの仕事が増えれば良いのになと思いました。
全体を通せば、審査方法や出演者も非常に落ち着いてきましたし、現状ソフトとしては優良なものに育ちつつあるキングオブコントなのですが、一方で爆発力やストーリー性に欠けるという感もありますし、軌道に乗ったのと同時に求められるであろう新たな変化を、果たせるのかどうかが本当の勝負なのではないかと思います。以上雑感。
以下一応採点結果。
1位 合計1828 908 928  キングオブコメディ
2位 合計1769 827 942  ピース
3位 合計1736 820 916  TKO
4位 合計1727 829 898  ジャルジャル
5位 合計1694 864 830  ラバーガール
6位 合計1670 898 772  しずる
7位 合計1607 826 781  ロッチ
8位 合計1447 727 720  エレキコミック