Feederが『Renegades』で聞かせる偏った攻めのサウンド

Feederの通算7枚目となるアルバム『Renegades』のご紹介。
Feederというバンドの特色としては、ヘヴィでハードなオルタナと形容されるロックサウンドが第一に挙げられるのですが、それだけでなく美しいメロディを持ち、幅広いサウンドを楽曲に取り入れる事で多くのリスナーを獲得してきたバンドだと思います。現存するイギリスのバンドとしてはあまり類似バンドも見当たらない為、独立独歩なバンドという印象もあり、UKロックのカテゴリーに囚われない幅の広さを持ったバンドだと思います。
さて、今回の『Renegades』という作品は前述したハードなサウンドに焦点を絞った一枚で、エッジの効いたギターと重厚なサウンドが印象的な一枚に仕上がっています。先行シングルとなった「Call Out」Foo Fightersに通ずる様な疾走感のある楽曲で、アルバムの中でも出色の出来だと思いますし、ボーナストラックを除けば全11曲で30分少々のアルバムである『Renegades』は、重たさがありながらも息をつく間もなく聞き通すことが出来る一枚に仕上がっています。ただ、その一方でFeederの持つメロウな一面は若干陰を潜めていますので、その辺を期待してアルバムを聞くと肩透かしな一枚になってしまうかも知れません。これは来年初頭に発売が予定されてる次のアルバムへの布石というか、2枚組の様な性質を持つアルバムの片方だからこそ出来る内容だともいえるので、『Renegades』の中でFeederの持つ魅力を全て発揮されているかといえば決してそうではありません。とはいっても、Feederが敢えて自主レーベルから『Renegades』を発売した事も、現在の音楽業界の流れに則したものですし、その意義やサウンドの方向性は理解出来ます。何より、すでにベテランの域に達しているバンドが、荒々しくも瑞々しいギターサウンドにもう一度トライしているという事は十分評価出来ると思います。という事で、相対的な評価は次のアルバムの発売まで待つ事になると思うので、出来ることなら2枚合わせて聞いて頂きたいなとは思います。

Renegades-Limited

Renegades-Limited


物凄いインパクトのPVだけどR指定は無し。攻めてる感が素晴らしい。

Feederに関してはライブ後にアフターパーティをやらせて頂いた縁もあって、楽屋でメンバーとお話させて頂いた経験もあるのですが、非常に好感度の高い人達。何と言っても福岡にライブで来てくれている数少ない海外のバンドですので、応援せざるを得ない。9.11 (sat)のライブ会場になるDRUM Be-1はそれほど大きなハコではないですので、存分に楽しめると思います。近隣の方はぜひどうぞ。