Rod Jonesが『A Sentimental Education』で見せた意外な才能

IdlewildのギタリストであるRod Jonesの初のソロアルバム『A Sentimental Education』が到着したのでご紹介。
『A Sentimental Education』は先行発売という形で、オフィシャルサイトから購入出来た作品で、一般の流通はまだ始まっていません。IdlewildのフロントマンであるRoddy Woombleのトラッド・フォーク色の強かったソロアルバム『My Secret is My Silence』にもRod Jonesは参加しており、今作『A Sentimental Education』Roddy Woombleと足並みを合わせたかの様に暖かみのあるトラッド・フォークアルバムになっています。
『A Sentimental Education』Rod Jonesがギタリストという事もあり、ギターの響きが印象的で、トラッドアルバムを少しだけギターロックに歩みを寄せたフォークアルバムといった風情に仕上がっているのが印象的で、肝心のRod Jonesのボーカルはというと、Idlewildでバックコーラスを務めている事もあり、違和感無く聞けて、意外といっては失礼ですが、ボーカリストとしても意外なほどシッカリとした能力を発揮しています。全体を通して緩やかに『A Sentimental Education』は進行していくもののクラシカルなメロディの良さを奏でる「Wonderful」、ギターの響きやカッティングが印象的な「Sing your praises」、バンドサウンドに近いアプローチで勢いのある「A pirate song」の様に、自らの特性を活かした楽曲がアルバムの中でも印象に残ります。また、オリジナルだけでなくトラッドソングのカバーである「Black Is the Colour」Nina Simoneをはじめ数々のアーティストがカバー、Paul Wellerなんかもカバーしています)も収録されていて、この曲なんかは王道のカバーなのですが、先行予約のボーナストラックであるSnap! 「Rhythm Is a Dancer」は原曲のエレクトロポップな雰囲気を完全に打ち消したボソボソと歌い上げるフォーキーなカバーに仕上がっており、その意表をつく選曲で遊び心をさり気無く見せてくれているのにも好感が持てます。
ちなみに『A Sentimental Education』Rod Jonesのセルフプロデュースで製作されており、その販売方法を含めて、どこまでも手作り感が溢れているのですが、決して内に篭った様な趣味的なアルバムではなく、あくまでも外に向けられて開かれたアルバムに仕上がっているのは素晴らしいと思いますし、一般発売までにはもう少し掛かりそうですが、トラッド・フォークのジャンルに押し留められない作品ですので、ぜひ多くの人に聞いて頂きたいと思います。
ちなみに先行販売での購入はIdlewild『Post Electric Blues』と同じ様にアルバムのライナーに購入者の名前が掲載されるという特典(あとボーナストラックが2曲)があった様で、購入時には気付かなかったのですが、購入後にライナーを見てビックリ。普通にフルネームで掲載されており、少々気恥ずかしい。
myspaceでデモが聞けます。
http://www.myspace.com/rodjonessolo