Hathaway Brownの『Keep Moving Forward』で紡ぎ上げられたポップソング

2009年初頭に人知れず発売されていた(一応クレジットは2008年の作品)Hathaway Brown『Keep Moving Forward』をご紹介。
Hathaway Brownは元CopperpotJarrett Randazzoが中心となって結成されたバンド(といってもメンバーは元Copperpotの二人)なので、まずはCopperpotを少しだけご説明。
Copperpot(バンド名は映画グーニーズの登場人物に由来)といえば良質なパワーポップバンドとして、パワーポップリスナーには知られた存在で、アルバム『Copperpot』は国内盤も発売されていました。「Go Girls」というキラーチューンがあった為、ロック系のクラブで耳にした事のある人もいるのではないでしょうか。そんなCopperpotのメインソングライターだったのがJarrett Randazzoで、Copperpot時代からそのソングライティングの能力には定評があり、今回のHathaway Brownではそのポップセンスが遺憾なく発揮されています。Hathaway Brownとしてのアルバム『Keep Moving Forward』は、実に真っ当で飾り気の無いポップソングが並んでおり、Copperpot時代とは違いアコーステックギターの要素が強いミドルテンポの楽曲がアルバムの中心なのですが、そのフックのあるメロディはCopperpot時代のものより研ぎ澄まされています。オープニングから「Burn」の伸びやかなメロディに引き込まれ、次曲の「Stutter」は非常にオーソドックスな楽曲でありながらも、飛び抜けたメロディを持っており、アルバムの頭二曲を聞いただけでもHathaway Brownの驚くべきポテンシャルを感じる事が出来ます。
全12曲を通して聞いていると、時折に力強いギターやモーグも入ってくるのですが、Copperpotが持っていたパワーポップの要素は控えめで、あくまでも隠し味程度に散りばめられている事が功を奏していて、それがアクセントとして機能する事で歌とメロディを際立たせていると思います。その事が如実に表れている「Hey Hey」という曲でアルバムの中でも印象に残る好トラックに仕上がっています。兎にも角にも『Keep Moving Forward』はどこを聞いても丁寧に作られている印象が残りますし、このご時勢に歌とメロディの力のみで勝負出来る貴重な作品となっていますので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。
という事でまずはMyspaceで視聴を。
http://www.myspace.com/hathawaybrown
画像すらないAmazonですが、ちゃんと流通しているのでご安心を。

Keep Moving Forward

Keep Moving Forward