Gary Goのデビューアルバム『Gary Go』の意外なスケールの大きさ

UKの新人アーティストであるGary Goのデビューアルバム『Gary Go』を紹介しそびれていたのでご紹介。
Gary Goはシングル「Wonderful」がUKチャートの22位を獲得するなど、本国では話題を呼んでいるのですが、日本では全く無風状態。そのメガネな風貌やジャケットから宅録風のサウンドをイメージしていたのですが、聞いてみるとむしろ真逆のジャンルといえ、分別するならばオーソドックスタイプのロック・ポップスの為、取り立てて目新しさは感じません。しかしながらUKのアーティスト特有の泣きのメロディを携えながらもアメリカ大陸的なスケール感を持っているのがGary Goの楽曲最大の特徴で、イギリスでヒットするのも分かりますし、今後も注目されるシンガーソングライターの一人だといえると思います。飛びぬけて「Wonderful」のメロディの即効性が高く、アルバムの後半はやや一本調子な感もあるのですが、ColdplaySnow Patrolの様なバンド形態ではないソロのアーティストが、広大なスケールでサウンドを構築していっているという点では評価されるべきだと思います。今後のGary Goには楽曲の幅も必要となるだろうし、もっと軽やかさが出てくれば一気にリスナー層も広げる事が出来ると思います。もちろん、地味ながらも良い曲を書き続けられるポテンシャルをGary Goは持っていると思いますので、末長く活動を継続する事でSnow Patrolの様にキッカケを持ってして海外で大ヒットを飛ばす可能性は高い様に思います。
Twitterを駆使したりiPhoneで作曲(ウェンブリー・スタジアムでのライブの際にギターやドラムのパートをiPhoneを使って演奏すると発言し、話題になっていたくらいだし)をしたりと、いかにも今風な軽やかさを既にGary Goは持ち合わせているわけで、それ辺の面白みが楽曲自体にもっと反映されればと思うし、次世代の道標となる様なGary Go流のサウンドを生み出してくれる事にも期待したいと思います。
また、Gary Goは今年の夏にTake Thatのツアーサポートを務めており、その後はMikaともツアーを回るなど、ポップアーティストとしては順風満帆にキャリアを重ねているようですので、ライブパフォーマンスにも注目が集まるところです。
UK盤は高かったのですが廉価なアメリカ盤が出ているので買うならこちら。

Gary Go

Gary Go

スケールの大きなメガネ君