Locksleyが『Be In Love』で応えた期待と『With The Beatles』への接近
Locksley待望のセカンドアルバム『Be In Love』がめでたく発売になったのでご紹介。
日本で高セールスを記録したデビューアルバム『Don't Make Me Wait』が好評で、多くの人達を笑顔にしたLocksleyがセカンドアルバムを発売。先行シングルになった「Darling, It's True」の出来が非常に良かったので、アルバムにも期待が高まっていたのですが、その期待に応えてくれる内容に仕上がっていたのでひと安心。
エモーショナルに歌い上げる「Love You Too」で期待感を持ってアルバムは幕を開け、「Darling, It's True」、「One More Minute」とポップな展開が続いた後に、今までのLocksleyには無かったミディアムな良曲「Days of Youth」(最後にBe In Loveという歌詞が出てくることからもアルバムを象徴するような楽曲)へ、そして、The Viewの「Wasted Little Dj's」をLibertinesがカバーした様な疾走感を持った「21st Century」へ雪崩れ込む前半の流れは秀逸。
『Be In Love』でのLocksleyは、つんのめり気味に闇雲に突っ走るのだけでなく、しっかりと一つの楽曲に向かう姿勢が強まったと思うし、キラーチューンが連発というよりも、全体を通して落ち着きのあるミディアムな楽曲の出来が良いのが大きな成果だと思います。「Please Mr. Postman」のカバー(というか遊び心を感じる良質な替え歌)である「There's A Love」が日本盤のボーナストラックな事からも分かる通り、『Be In Love』は全体を通して『With The Beatles』を意識した様なソウルでエモーショナルなボーカルスタイルが目立つロックンロールアルバムに仕上がっているのですが、「On Fire」の様な楽曲ではポップさを残しつつもガレージよりのハードな一面も打ち出していたりと、楽曲の幅自体も広がっており、Locksleyの成長を感じる事が出来ます。新メンバーのJordan Laz(Jesse Lazの弟)も「One More Minute」、「The Whip」、「The Way That We Go」などの楽曲を手掛けるなど、ソングライティング面での貢献も見られ、より結束が固まった様にも見えるLocksleyの今後の活動には期待が持てると思います。
デビュー当時から付いて回る21世紀のBeatlesという冠は重過ぎるけど、Beatlesのリマスター盤で賑わせた2009年の最後を飾るには持って来いの作品ではあるので、年の納めにいかがでしょうか。
溢れちゃう(胸毛)Be In Love。
- アーティスト: LOCKSLEY
- 出版社/メーカー: FABTONE RECORDS
- 発売日: 2009/12/02
- メディア: CD
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※ <追記と訂正> 文中で
「Please Mr. Postman」のカバー(というか遊び心を感じる良質な替え歌)である「There's A Love」が日本盤のボーナストラックな事からも分かる通り、
と書いていますが、これは誤った情報。某雑誌の情報を鵜呑みにして文章を書きましたが、しっかり調べてみると「There's A Love」は「Please Mr. Postman」にサビが似ているものの全く別の曲。正確にはThe Del-RiosというWilliam Bellが在籍していた事で知られるグループの楽曲。ソウル・ミュージックの名門レーベルであるSTAX(スタックス)から発売されたシングルのカップリングとして収録されています。The Del-Riosとしての音源はSTAXにはシングル曲「Just Across The Street」とカップリングである「There's A Love」の二曲しか残されていないようですが、9枚組のBOXセットである『The Complete Stax : Volt Singles 1959 - 1968』で聞くことが出来ます。誤った情報を掲載してしまった事をお詫び致します。
とはいえ、文中で書いている通り『Be In Love』が『With The Beatles』の強い影響下にある作品である事は間違いないし、Locksleyが当時のBeatlesの方法論を用いた、よりルーツに迫ったカバーを披露していた事は特筆に価すると思います。
Stax-Volt Complete Singles: '59-'68
- アーティスト: Various Artists
- 出版社/メーカー: Atlantic / Wea
- 発売日: 1991/04/24
- メディア: CD
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THE BAWDIESとのブッキングも決まった来日公演の詳細も一応。
【LOCKSLEY × THE BAWDIES JAPAN TOUR 2010】
3月15日(月) OPEN18:00 / START19:00 渋谷クラブクアトロ
3月17日(水) OPEN18:00 / START19:00 名古屋CLUB UPSET
3月18日(木) OPEN18:00 / START19:00 大阪umeda AKASO
料金:全公演前売り3,500円。渋谷公演にはsnoozerの編集長(ドラフト候補)もDJで参加との事。