Beatlesの『The Beatles』（White Album）Stereoリマスター盤（Disc1）の雑感

という事でBeatlesの『The Beatles』（White Album）Stereoリマスター盤を聞いています。個人的には『The Beatles』（White Album）って評価が二分している印象があります（以下『White Album』アルバムと表記）。第一に『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』の評価が高い事が大前提としてあって、当初は『White Album』は寄せ集め的なバラバラなアルバムという語られ方をしていたと思うんですよ。だけど、CD化された頃には『White Album』の良さが分からないなんて本当のファンではないみたいな論調が増えてきたように思います。だから第一のトラップとして『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を聞かないとBeatlesを聞いたとは言えないというのがあって、それを超えても『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を評価してるのは当たり前、『White Album』の良さが分からないなんて真のBeatlesファンとは言えない！という第二のトラップがあるわけです。だから聞く前はどっちなんだよ一体、という気持ちがありましたし、したり顔で『White Album』の良さを過剰に語ってくる人は苦手でした（今でも少し苦手ですね、何となく）。
まあそんな話はさて置き、まずはDisc1の雑感から。確かに『White Album』って厳密なジャンルで言えばバラバラなのですが、統一感が全く無いかといえばそうではなくて、このDisc1に関しては、リマスター盤を聞きなおすと逆に畳み掛けるような曲間の繋ぎで特有のリズムというか流れが生み出されているように感じます。「オオニター」にしか聞こえないあの曲から「The Continuing Story Of Bungalow Bill」、そして「While My Guitar Gently Weeps」に雪崩込む瞬間までの流れなんて最高ですし、「While My Guitar Gently Weeps」から「Happiness Is A Warm Gun」の流れも凄い（この辺はリマスターにより曲間などが改善されている効果もあるかと）。改めてDisc1のアナログでいうところのA面の部分って、その流れも含めてやっぱり物凄いと思います。
また、このアルバムはBeatlesの中でも飛び切り可愛らしい楽曲が並ぶ楽しいアルバムですので、子供に一番に聞かせたいBeatlesのアルバムでもあります。決してボーカルが主役のアルバムとは思わないのですが、メロディが懐っこいというか口ずさみたくなるものばかりで、特にDisc1はその傾向が強いので、気がつけば口ずさむ曲はこのアルバムからになるのだと思います。
あと、ポールの独壇場である「Martha My Dear」（メインの楽器のほとんどがポールによる曲）のピアノのプレイとか凄いですね。サラッと弾いているように感じていたのですが、リマスター盤で聞くとその天才的なピアノの旋律が非常に響きます。全体的にBeatlesがバンドサウンドに回帰したアルバムでもある『White Album』が、リマスターによってさらに重厚感が加わっているのは非常に嬉しいところ。更にサウンドがハードになるDisc2に続く。

THE BEATLES