Beatlesの『Magical Mystery Tour』Stereoリマスター盤の雑感

という事でBeatles『Magical Mystery Tour』Stereoリマスター盤を聞いています。
このアルバムは本当に良く聞きましたね。『Magical Mystery Tour』って正規のアルバムでないイメージが強くて(恐らく『Yellow Submarine』と同じくらいのイメージで捉えてて)、結果的に購入したのが遅かった記憶があります。多分Abbey Roadより後だったんじゃないかな。「All You Need Is Love」というBeatlesの隠れた名曲が入っているアルバム。購入するまでは、そんなおかしな認識だったのを覚えています。その認識は「Hello Goodbye」というポップソング史に燦然と輝く素晴らしい楽曲を聞く事で一変したわけですが、正直なところ「Strawberry Fields Forever」「I Am The Walrus ("No You're Not!" said Little Nicola) 」の印象は強くなかったと思います。「Strawberry Fields Forever」は何か音が篭ってて暗いイメージだったし「I Am The Walrus」は難解な楽曲のイメージがありましたね。聞いていくうちに「Strawberry Fields Forever」に対する印象は変わっていくのですが、「I Am The Walrus」に対する印象はしばらくの間は変わりませんでした。
そんな「I Am The Walrus」に関してはoasisのカバーが結構大きくて、自分の中ではあのストレートなカバーがあったからこそ「I Am The Walrus」の再評価にダイレクトに繋がったのだと思います。oasisのカバーを聞いて思い出したかのように原曲が収録されている『Magical Mystery Tour』を何度も何度も繰り返しプレイヤーに乗せて、それこそ一日中、毎日の様にこのアルバムを聞き直したのを覚えています。だから「I Am The Walrus」が収録された『Whatever』のEPが発売された1994年に『Magical Mystery Tour』は一番聞いたのではないかと思うし、自分にとってはかなり遅れて聞き込んだアルバムという事になります。
ご存知の通り『Magical Mystery Tour』は6曲入り2枚組EPにシングル曲がB面として加わっている形式ですので、アルバムとしては微妙に評価し辛い部分があるのは確かです。しかし『Magical Mystery Tour』に収録されている楽曲のほとんどがBeatlesの楽曲として有名な楽曲ですし、各曲のレベルが高いのは言わずもがなです。ジョンとポールの世界観という比較的同じフィールドでの対比が「Strawberry Fields Forever」「Penny Lane」ならば、「I Am The Walrus」「Hello Goodbye」は音楽的な方向性での対比になっていて、この4曲がジョンとポールの成長の証というか、一つの到達点になっていると思います。余勢で作られたわけでなく、収録曲の全てが後期Beatlesの音楽的にピークの楽曲で、それが塊となっているので、重要度でいえば他のアルバムに引けは取らないでしょうし、寄せ集めのコンピレーション的で全体の統一感が云々とか・・・口に出せなくなるほどの圧倒的な楽曲の存在感を感じる事が出来ます。そんな気持ちにさせてくれるアルバムは、この『Magical Mystery Tour』を置いて後にも先にも無いと思っています。
リマスターによって其々の楽曲のボーカルが非常に前に出てきているように感じますし、ある意味、『Magical Mystery Tour』はボーカルアルバムだと思うので、今回のリマスターによってその印象がハッキリした事は喜ばしいですね。
という事で次はThe Beatles』(White Album。真っ白な気持ちで挑みたいと思います。

MAGICAL MYSTERY TOUR

MAGICAL MYSTERY TOUR