キングオブコント2009の感想を忘れないうちに

Beatles祭りの途中ですが一応キングオブコント2009の感想を。
優勝が東京03だったのは納得。二回目の953点は少々出過ぎなのですが、これは前のしずるとの相対的な評価で点数を上げざるを得ない部分もあるので仕方ないでしょう。逆にサンドウィッチマンの二回目は東京03との差を付けざるを得ない雰囲気（これはすぐに得点を入れさせなかったMCを含めた構成の問題もあると思いますが）になっていたので、想像以上に点差が開いてしまいましたね。ほとんどの出演者が二回目の方が良い点が出たのは、若干バブルかなと思いますが、全く納得がいかない採点は無かったかと思います。
東京03とサンドウィッチマンの勝敗を分けたのは、その熱量の差でしょう。自分は東京03のネタは両方とも何度か見たネタだったので、新鮮味が無く、テレビで見る限りはいつも通りの出来だったように感じたのですが、その場を支配する熱量に関しては完全に東京03が抜きん出ていたのが最大の勝因のように思います。サンドウィッチマンはボケの質は高いものの、ちょっとあっさりしていた気がしていて、後で確認してみたらネタ時間も3分程度で短かったんですよ。つまりもう少しアドリブ的な笑いを詰め込める余裕があったにも関わらず出来なかった。その点が惜しかったと思います（東京03の高得点によるプレッシャーによる部分も大きいと思いますが）。そしてネタのオチを含めたネタ後の爽快感というか満足度が東京03の二本目には敵わなかったのだと思います。

各出演者に関して見ていくと、しずるとロッチは実力を発揮出来たように思いました。ロッチは完全にロッチの世界観を作れていて、それが結果として同じような点数として出ていたし、得意のネタで今のロッチの最大限の魅力を発揮出来ていた様に思います。しずるも二本目のネタのチョイスがどうかなと思いましたが、全体的にまとまっていました。インパルスも底力を発揮していましたので決して悔いの残る感じではなかったと思います。モンスターエンジンも二本目はシッカリはまっており、コントの醍醐味でもある単純な馬鹿馬鹿しさは十分発揮されていました（それだけに一本目の展開力の無さが悔やまれますが）。そして個人的に残念だったのはジャルジャルで、心配した通りちょっと狭く深くいき過ぎた感がありました。今回のキングオブコント2009は観客の笑いと審査員である芸人の笑いとが完全に分離している箇所がかなりあって、ジャルジャルの場合、その傾向が顕著で人気が邪魔をしている感もありました（逆にサンドウィッチマンのブックオフ等の細かなボケは芸人しか拾い切れていませんでしたね）。今回のジャルジャルのネタはシチュエーションが関係ないネタだったので、コントとしての枠を活かしきれていない感じがマイナスの方向に働いた感があります。レッドカーペット組が安定した結果を残した中、一番悔しい思いをしているのは確かでしょうから、今後の踏ん張りに期待。　一本目はマイクが落ちたのばかりが気になってしまった天竺鼠は、緊張が解れた二本目にらしさが出てたと思います。シュールなネタを持ってきたのは彼らだけだったので、それも高評価に繋がった要因の一つではないでしょうか。
全体的に見ればキングオブコント2009自体は昨年の時点では考えられないくらいレベルも上がりましたので、来年以降は落ち着いた運営が期待出来ると思います。あとは優勝者がいかに一般的な知名度を獲得出来るのか、そしてM-1王者のような格（KOC王者というブランディング）というものを生み出せるかといったところではないでしょうか。

以下一応採点結果
優勝　東京03　835+953　合計1788
2位　サンドウィッチマン　878+865　合計1743
3位　しずる　820+831　合計1651
4位　インパルス　767+868　合計1635
5位　モンスターエンジン　771+855　合計1626
6位　ロッチ　807+804　合計1611
7位　天竺鼠　723+829　合計1522
8位　ジャルジャル　734+805　合計1539