Robert Pollardの『Elephant Jokes』のカッコ良いギター

Robert Pollardの新作『Elephant Jokes』が相変わらずのハイペースで届けられたのでご紹介。

Guided By Voicesという非常に短いポップソングを連発していたバンドがおりまして(2004年に解散)、そのフロントマンであるRobert Pollardは非常に多作なミュージシャンでありまして、ソロキャリアにおいても沢山のアルバムを発表しているわけであります。

で、そのRobert Pollardが発表した最新のアルバムが『Elephant Jokes』というわけであります。
前作『The Crawling Distance』から半年と少しで発売された新作『Elephant Jokes』は全22曲で46分というRobert Pollardの真骨頂が発揮される作品となっています(プロデュースはもちろん盟友Todd Tobias)。全22曲の中で3分以上の曲が2曲のみという恐ろしい程のコンパクトアルバムで不穏でダウナーな楽曲も少なくないものの、楽曲の全てにポップさが潜んでおり、全体的に聞きやすいです。前作『The Crawling Distance』は全10曲で3分前後の曲が多かったので単純に比べても対照的な構成になっています。『The Crawling Distance』はどちらかといえば落ち着いたサウンドで統一されており、シンガーソングライター然とした内容であり、Robert Pollardの新たな一面が垣間見えたのですが、今作はいつものRobert Pollardというか原点回帰というか、シンプルなロックアルバムという印象が強いです。これはサウンドの中心にギターサウンドがあるからではないかと思っていて、Robert Pollard自身が弾いているそのThe Who調のギターがとにかくカッコ良い。「Johnny Optimist」「Symbols and Heads(The Oh Yeah Song)」なんて曲のリフなんてもの凄くカッコ良い(「Symbols and Heads(The Oh Yeah Song)」のリフはどこかで聞いたことあるのだけどなんだっけ?Guided By VoicesRobert Pollardの情報を網羅してある「Whatever Happened To Pong?」さんによると『Coast to Coast Carpet of Love』に収録の「Our Gaze」にそっくりらしいけど、他の曲でもあるかも。とにかく普遍的でカッコ良いリフ)。他にも随所にハッとするザックリとしたギターのフレーズが満載で、その辺がこのアルバムを完全なロックアルバムたらしめている要素になっているのだと思います。
前作がどちらかといえば歌モノのアルバムだったので、似たような事をやっているようで実は対照的な2枚のアルバムを2009年にぶつけて来たというのが素晴らしいと思います。Guided By Voices時代も同じ様な事をやっているようで変化を生み出してきたRobert Pollardですが、ソロキャリアでも一つの到達点と可能性を近作2枚で打ち出してきたのは流石というしかありませんね。前作のレビューでも同じ様な事を書いたけどRobert Pollardの何度目かの黄金期がやってきていると確信出来る様な充実作。
Robert Pollardが手掛けたジャケットのコラージュのセンスもカッコ良い。

Elephant Jokes

Elephant Jokes