Brendan Bensonは『My Old, Familiar Friend』でRaconteursを超える

The Raconteursで一気に名を知らしめたBrendan Bensonのソロアルバム『My Old, Familiar Friend』が到着したのでご紹介。
世間的にはRaconteursのメンバーのBrendan Bensonという事で認知されているのかもしれないけど、個人的にはソロアーティストとしてのBrendan Bensonの存在の方が圧倒的に大きくて、Brendan Bensonのポップセンスが無ければRaconteursサウンドも面白みを欠くのではないかとすら思っています。
そんなBrendan Bensonといえばデビューは1996年なのでキャリアも長いのですが、それ程多作ではなく今作『My Old, Familiar Friend』が4作目になります。デビューアルバム『One Mississippi』とセカンドアルバム『Lapalco』ではJason Falknerとタッグを組んでおり、パワーポップ系のシンガーソンガーとしてのイメージを構築し、サードアルバム『The Alternative to Love』では完全に独り立ちしたアーティストBrendan Bensonとしてのサウンドを確立した感がありました。そしてRaconteursでの活動を間に挟んでの新作『My Old, Familiar Friend』という事でサウンドにどの様な変化が出るのかが注目されたのですが、そのポップセンスは変わらず発揮されているのでひと安心といったところ。今までのアルバムの中では一番バンドサウンドが強いように感じるのは、Raconteursでのバンドとしての活動が影響を与えているのはもちろんですが、ドラムとベースにこのブログでも取り上げたThe Featuresのメンバーが参加しているという事も大きくて、これが良い方向に働いているといえると思います。プロデューサーにGil NortonPixiesFoo Fightersなどを手掛ける)を起用した事にもその意図は感じられますし、基本的にはバンドサウンドなのですが、その中にストリングスやキーボードを印象的に配置する事で「Garbage Day」「Poised And Ready」の様なポップな楽曲が一層映えています。
日本ではデビュー時には注目されていたものの、その活動のペースからソロアーティストとしてはイマイチ認知度は上がっていないのですが、今作『My Old, Familiar Friend』ではそのソングライティングの能力が円熟味を増して新たな地点に辿り着こうとしていますし、枯れてきたとはいえその男前なルックスも健在ですので、もう少し人気が出てもおかしくないと思っています。という事で今後は更にソロ活動に力を入れてくれるのを大切望。

My Old Familiar Friend (Dig)

My Old Familiar Friend (Dig)