The Features の『Some Kind of Salvation』が捻くれている理由

The Featuresの久しぶりの新作『Some Kind of Salvation』が発売されていたのでご紹介。
といっても今作『Some Kind of Salvation』は昨年デジタルオンリーで発売されていたものがようやくCD化されたもので、恐らくデジタルである程度の評価を得た事でCD化の目途が立ち発売されたのではないかと思います(今後はこの様なリリースの形式は増えると思われる)。前作『Exhibit A』は Universalから発売されているので、当然期待されてデビューに至ったのだと思うのですが(同郷とはいえKings of Leonのサポートでツアー回っていたぐらいだし)、例にも洩れずセカンドアルバムはインディーズレーベルからの発売という事で、環境面では苦戦を強いられています。しかし、作品の内容はセカンドアルバムで一気に飛躍を果したものになっており、非常に多くのリスナーから受け入れられる内容に仕上がっています。
The Featuresといえば60年代の要素をふんだんに取り入れながらも、基本的にポップで同系列のインディーズのバンドの中では頭一つ抜けた才能を感じさせてくれたバンドで、カントリーやニューウェイブからの要素も上手く消化していた印象で、今作ではさらにストリングスや管楽器やピアノをアクセントとして機能させており、ロック色が強いながらもカラフルな作品となっています。いかにもオープニング的な楽曲「Whatever Gets You By」で幕を開けて、印象的なホーンが冒頭を飾る「The Drawing Board」で一気にポップな方向へ引きずり込み、Primal Scream「Rocks」ばりのリズムと強力なコーラスに支えられ南部のロック色を打ち出した「The Temporary Blues」の様な曲も挟みながら、3分前後の楽曲で畳み掛けながらスッキリと最終曲の「All I Ask」までだれる事無くアルバムをまとめており、非常に風通しの良い一枚に仕上がっています。中でも「Lions」は思わずコーラスをなぞりたくなるポップチューンで、このアルバムの中でも出色の出来といえるとも思います。また、ボーカルのMatthew Pelham歌声も色気を感じさせる新境地のものも多く、ボーカリストとしての成長を感じさせてくれてます。そして今作『Some Kind of Salvation』で目立つのはイギリスのバンドが伝統的に用いる捻くれ気味のポップな旋律が増している点で、本人達もMySpaceの影響を受けた音楽にThe Kinksの名前をあげていたりとその辺のサウンドも意識しているのは確かだと思います。
ちなみにプロデュースのクレジットはJacquire King、Brian Carter、The Featuresになっており、Jacquire KingKings of Leonのプロデュースで有名な事からも分かるように、旧知の人脈で作られたまとまりの良さがサウンドにも反映されています。Kings of LeonFeaturesサウンド面での共通項はあまりないのですが、規模の大小はあれど両バンドともアメリカ出身であるにも関わらず、イギリスで評価されている側面があり、アルバムジャケットにもSpecial Thanks To Kings of Leonの記載がある事からも分かる通り、良好な関係を続けているようです。

Some Kind of Salvation (Dig)

Some Kind of Salvation (Dig)

The Features - Lions