Superdragの『Industry Giants』は時代錯誤な再結成盤

再結成を果したSuperdragが新作『Industry Giants』を発表していたのでご紹介。
Superdragといえば90年代を代表するパワーポップバンド(Lyme-Records調べ)で、2003年に解散したものの2007年に再結成しています。その後、ツアーを経て今回の新作『Industry Giants』を発表という事で、順調な再活動を続けています。名曲「Sucked Out」を筆頭にJohn Davisのハスキーで魅力的なボーカルと良質なメロディがSuperdragの最大の持ち味だったわけですが、『Industry Giants』でもその魅力は健在で、ボーカルスタイル自体は若干まろやかになったものの、ボーカリストとしては円熟期に入ったという事を証明してくれる様な緩急自在で表現力の増したボーカルを聞かせてくれています。一曲目の「Slow to Anger」こそ、いきなりFoo Fightersと紛う様なサウンドとパワフルなボーカルで圧倒されるのですが、その後はメロウでミドルテンポの楽曲を中心に時折ハードな側面を聞かせながらアルバムは進行していきます。サウンド的には今どき珍しいともいえる熱いパワーポップサウンドな為、ともすれば時代錯誤と言われてしまいそうですが、愚直なまでに変わらないサウンドから過ぎ去った時代を懐かしむ気持ちを差し引いたとしても、Superdragの音楽が良質なものである事は間違いないと思います。ちなみに今回のSuperdragのリユニオンはオリジナルメンバーでのリユニオンですので、オリジナルメンバーの作品としては10年振りになるわけで、殊更、この良い意味での成長の無さというか普遍的なサウンドは驚異的だといえると思います。Superdragは音楽性やそのクオリティからいってもThe Posiesくらいの評価(日本でPosiesが物凄く評価されているかといえばそうではないだろうけど)を受けてもおかしくないバンドだと思っていますので、Superdragがこれからどの様な形で活動を続けるかは分かりませんが、その辺のリスナーの方もそうでない方も、以後Superdragをお見知りおきを。

Industry Giants (Dig)

Industry Giants (Dig)

大名曲「Sucked Out」

Superdrag - Filthy & Afraid