M-1グランプリ2008でオードリーが優勝出来なかった最大の要因

先日も書いた通り、NON STYLEの優勝はあると思っていたのですが、想像していた以上に出来が良かったです。キングコングが到達出来なかった、ボケを詰め込みながらテンポの良くまとめるという漫才の理想形を見た気がします。事前予想として、もしNON STYLEが大爆発した場合はキングコングが三位以内に入れないと書いたんですが、正にその展開になりました。
以下雑感。
ダイアンは最初の振りが長くてツカミ損ねたのが勿体無かった感じで、トップバッターだからこそもっと最初から飛ばさないといけなかったのですが、流れを作り出すのが遅かった感があります。笑い飯も新しい展開を見せて最初にしっかりと掴んだと思うのですが、後半のWボケの爆発力と闘牛士で落とさなかった点がちょっぴり不満。この状況でモンスターエンジンはかなり厳しいと思ったのですが、やっぱり厳しかったです。がしかし、発想力は素晴らしいので、テクニックが追いついた時に結実するのだろうな〜と期待しております。ナイツは想像以上でも以下でもない無難な出来で、ちょっとだけボケが硬くて、独特のテンポとゆる〜い空気が完全には生まれていなかった様に思いました。U字工事は漫才としてはある意味完璧だったけど、地域ネタというのと発想の点で新しさが無いという部分が若干マイナスになったかなと。でも想像以上に良かったです。ザ・パンチは完全に緊張していた為、エアポケットに入った感じになっちゃいましたね。キングコングNON STYLEに完全に飲み込まれた形で、しかもネタ自体も全てにおいて昨年を下回る出来だった為、逆の意味で驚きました。恐らく、考えた挙句、動きを封じたのが裏目に出たのだと思います。オードリーは敗者復活戦で一番上がって来て欲しかったし、その可能性が一番高いコンビだと思っていたので、彼らが上がってきたのが嬉しかった。ネタもその期待に応えてくれる出来で今年のM-1で一番のハイライト。
そして、オードリー、NON STYLE、ナイツによる最終決定戦なんですが、始まる前から三組とも同じ様な構成のネタを揃えて来るのではないかと思っていて、もしそうなればNON STYLEが優勝だなと思って見ていたのですが、オードリーには良い意味で裏切られました。恐らく自分が審査員ならオードリーを挙げていた。オードリーは春日のキャラクターを理解した上で見るとかなり高度な事もやっているし、ボケの発想も新しい。なにより、最後にパターンを変えてきた事と徹底的に馬鹿馬鹿しかった事を評価したい。オードリーはどうしても初見ではキャラに頼っている様にも見られちゃうのが損で、だけどそのキャラクターをしっかりと支えているテクニカルな若林の存在があるからこそ、オードリーは成り立っているし、その辺の価値観の相違で評価が分かれるコンビの様に感じます。個人的には一番新しくて尚且つ漫才の枠に収まっているのはオードリーだったと思うのですが、いかがでしょう。まあ毎年の事なんですが、結果に関してワーワーゆうとる人もいますが、個人的には全体的に納得の採点でしたし、漫才のテクニックと採点をマイナス採点式で考えるのであれば、NON STYLEの優勝が一番収まりが良いと思います。兎に角、今年のM-1グランプリがレベルの高い大会であったのは間違いないと思います。まあ『思てたのと違う〜』結果になるからこそ、そこに物語が生まれるのだろうし、M-1という興行が成り立っていくのだと感じています。あと、中田カフスが喋るたびに花香芳秋のモノマネがちらついて集中できなかった事はナイショ。
以下、一応各審査員の採点も載せておきますね。
紳助 松本 上沼 渡辺 巨人 大竹 中田 合計
89  85  90  90  86  86  93  619 ダイアン - 6位
95  89  95  91  91  88  88  637 笑い飯 -4位
91  83  85  88  89  88  90  614 モンスターエンジン - 7位
89  93  95  91  89  89  94  640 ナイツ -3位   最終0票
91  85  93  90  84  88  92  623 U字工事 -5位
87  80  88  85  83  83  85  591 ザ・パンチ - 9位
94  93  95  90  91  90  91  644 NON STYLE -1位 最終5票
88  86  90  89  86  87  86  612 キングコング - 8位
89  95  92  92  91  92  98  649 オードリー -2位 最終2票