Maroon5の『Call and Response: The Remix Album』がプロデューサーの豪華さ以上の魅力を放つ理由

Maroon5『Call and Response: The Remix Album』は、思わず全曲のプロデューサーをご紹介したくなるほどの豪華なリミックスアルバム。
1 「If I Never See Your Face Again」 feat.Cross / Swizz Beatz
2 「Wake Up Call (Mark Ronson Remix)」 feat.Mary J. Blige / Mark Ronson
3 「Sunday Morning (Questlove Remix)」 Questlove
4 「Makes Me Wonder (Just Blaze Remix)」 Just Blaze
5 「This Love (C. "Tricky" Stewart Remix)」 Tricky Stewart
6 「She Will Be Loved (Pharrell Williams Remix)」 Pharrell Williams
7 「Shiver (DJ Quick Remix)」 DJ Quik
8 「Wake Up Call」 feat.David Banner / David Banner
9 「Harder To Breathe」 feat.The Cool Kids / The Cool Kids
10 「Little Of Your Time (Bloodshy & Avant Remix)」 Bloodshy & Avant
11 「Little Of Your Time (Of Montreal Remix)」 of Montreal
12 「Goodnight Goodnight (Deerhoof Remix)」 Deerhoof
13 「Not Falling Apart (Tiësto Remix)」 Tiësto
14 「Better That We Break (Ali Shaheed Muhammad & Doc Remix)」 Ali Shaheed Muhammad
15 「Secret (Premier 5 Remix)」 DJ Premier
16 「Woman (Sam Farrar Remix)」 Sam Farrar of Phantom Planet
17 「This Love (Cut Copy Galactic Beach House Mix)」 Cut Copy
18 「If I Never See Your Face Again」 feat.Rihanna / Paul Oakenfold

ご覧の通り、HIP HOP・R&Bからインディーズロック・ハウス・ダンスと幅広いジャンルから、これでもかというくらいの豪華な面子を取り揃えたリミックスアルバムだけに、内容は盛り沢山になっています。特に目立つのはHIP HOP・R&Bのジャンルを上手くミックスしている楽曲で、Maroon5ソウルミュージックに対するアプローチを最大限に生かそうとするリミックスが目立ちます。Mary J. BligeRihannaの女性ボーカルだけでなく、David BannerThe Cool KidsCross等のラッパー陣の客演も違和感無く嵌っており、これはバンド+ソウルミュージックの両方の魅力を持つMaroon5だからこそ上手くいったのではないかと思います。そして、全体的にAdam Levineのボーカルを素材の一部分として上手く活かしたリミックスが多く、特にHIP HOP・R&B、ダンス系のリミックスではその傾向が顕著に出ています。更には元々がロックバンドだったMaroon5(ご存知の通り前身はKara's Flowersというロックバンド)だけに、of MontrealDeerhoof、そしてPhantom Planet(解散したけど)からSam Farrarなどのインディーズロックシーンからの抜擢も見られ、Maroon5が持つ特徴をバンド自身が自覚してリミックスを依頼している事が分かります(ロック系の人選だが、決してロック色の強いリミックスに仕上がっていないのも興味深い)。個人的にはThe RootsQuestloveがリミックスしたSunday Morningの抑え目なリミックスや、A Tribe Called QuestAli Shaheed Muhammadがリミックスしている、ボーカルの加工と近代的なソウルサウンドで仕上げた「Better That We Break」辺りが好み。
大抵、この様な企画盤は失敗に終わる事も多いのですが、今回のこのリミックスアルバムは様々なジャンルでリミックスされている割に統一感があって、尚且つMaroon5の持つキラキラとしたポップさは失われていないのが素晴らしく、この手のアルバムとしては成功だといえると思いますので、幅広いジャンルのリスナーに受け入れられるのではないでしょうか。あと、キラーチューンを数多く持つMaroon5だけに色々なジャンルのDJに重宝されそうな一枚でもありますので、フロアのお供にどうぞ。

Call & Response

Call & Response