The Bridgesが奏でる兄妹仁義『Limits Of The Sky』

Matthew Sweetがプロデュースを手掛け、彼のスタジオで録音されたというThe Bridges『Limits Of The Sky』がその将来を期待させる良作だったのでご紹介。
The Bridgesは三姉妹と弟(Byrd四兄妹)、そして従姉妹のBrittany Painterという編成のJackson 5サウンド的には同じ兄弟繋がりでもBeach Boysの方が近いけど)ばりに超身内で結成されたバンド(ジャケット写真でも分かる通り、見た目もそっくり)で、デビューアルバム『Limits Of The Sky』では当然の様に息の合ったコーラスワークを聞かせてくれています。音楽的にはフォークを貴重にしているものの明るめのバンドサウンドで、Matthew Sweetがプロデュースしただけに、彼の最新作『Sunshine Lies』にも似た音の感触で爽やかさなサウンドがアルバムの核になっています。正直なところもう少し突き抜けた曲があったら尚良いと思うのですが、ボーカルのBrittany Painterの声は荒削りながらも大器の魅力を感じさせますし、息の合ったコーラスワークと重なって、新人バンドのボーカルとは一線を画している印象。また、The Bridgesは所謂クリスチャン・バンドだそうで、時代錯誤ともいえる純粋培養された様な60〜70年代テイストのサウンドにどこか敬虔の念が込められている様に感じるのはその辺も関係しているのかもしれません。
一聴しただけではThe Bridgesは何の飾りもないバンドだけに星の数ほどある新人バンドの中で埋没してしまいそうですが、逆に言えばその純粋さは現代のバンドの中では突出した個性にもなりえるので、その個性が極まれば逆に唯一無比の存在になる可能性もあります。The Bridgesがこのまま変に寄り道せずに真直ぐに音楽活動を続けていけるのあれば、バンドの将来にも大いに期待出来るのではないでしょうか。

Limits of the Sky

Limits of the Sky

とても2000年代のバンドのPVとは思えないThe Bridges - Pieces