Shugo Tokumaru(トクマルシューゴ) の『Exit』は素敵な輸出品

今、日本のアーティストで一番興味深く綺麗な音を奏でるのはShugo Tokumaruトクマルシューゴだと思っていて、新作の『Exit』のUS盤(この国から見ると輸出盤)も発売されたので聴いてみて欲しいというご紹介。

元々、前作『L.S.T.』や前々作『Night Piece』がアーティストや海外での評価が高い事(そういえばTeenage FanclubNorman Blakeも絶賛してた)から耳に入ったShugo Tokumaruですが、今作『Exit』では予想以上に心地よいサウンドを奏でいて、なぜそれほど話題になってないのかが不思議で仕方ない(いや、一部では物凄く話題にはなってはいるんですが)。
『Exit』では綿密なアレンジと様々な楽器が交じり合い、複雑なサウンド展開を聞かせてくれるのですが、決して密室的なサウンドになっていない浮遊感のあるサウンドは単純な形容詞だけでは説明がつかない不思議な印象。アルバムを通して聴いてみると、繊細なサウンドというより実はザックリとして思い切りが良いポップなメロディが核のようにも感じるし、サウンドにピッタリと寄り添うような日本語詞の使い方が実に巧みで、ジャパニーズHIP-HOP方面の方々も参考になるのではないでしょうかと思ったり。

Shugo Tokumarugellersというバンドを十年間やっていたのですが現在は活動休止中で、2007年に発売したアルバムが唯一の公式音源なのですが、そちらはもっと取り散らかってトリッキーでハードさが耳に残る音楽。単純にgellersの活動休止の反動というわけではないでしょうが、エッセンスを抽出したようにポップさを推進した『Exit』サウンドは今後のShugo Tokumaruの活動の幅を大きく広げるのだろうな思います。逆輸入の様な形で耳に届いたShugo Tokumaruが、輸出されているのは何やら感慨深い話です。色々な意味で今後はもっと話題になると思いますが、変な騒がれ方しなければなお良いのにね。


Exit (Dig)

Exit (Dig)

Shugo Tokumaru - Parachute