Emmy The Great & Tim Wheeler(ASH)『This Is Christmas』とShe & Him『A Very She & Him Christmas』で過ごす2011年

2011年のクリスマスを迎えるにあたって、本年度に発売されたクリスマスアルバムをご紹介しておきます。ちょっと色々とバタバタしていて、この2枚しか聞いていませんが、どちらも素晴らしいクリスマスアルバムです。男女2人組アーティストによるクリスマスアルバムはそうは多くないですが、2011年はこの2枚が発売されて、その両方がポップミュージックの魔法を封じ込めた様な作品になっていたのが印象的です。新進気鋭のシンガーソングライターの女性をキャリアのある男性アーティストが支えているという構図まで似通った両作ですが、同じクリスマスアルバムながら内容は正反対といっても良いほど対照的。
Emmy The Great & Tim Wheeler(ASH)から届けられた『This Is Christmas』は約1年をかけて制作されており、全11曲中の9曲が2人の共作によるオリジナル曲という事が素晴らしく、中には『Christmas Day (I Wish I Was Surfing) 』の様な思いっきりASHサウンドなナンバーも収録されています。カバー曲として「Marshmallow World」が収録されているのですが、この辺のセンスにも非常に好感が持てます。メロディメイカーTimとストーリーテラーEmmyとして、二人の相性は誰がどう考えても良いものだと思うし、だからこそ2人のアルバムが出来たわけで、もちろん二人のパートナーシップは私生活にも及ぶものであるわけですから、色々な意味で素敵やんと思うわけであります。例によってよしもとからの国内盤には大量7曲のボーナストラック入り。ASH、Weezer、Strokes、Sleater-Kinney、Pixiesとアコースティックカバーが目白押し。
さて一方のShe & Him『A Very She & Him Christmas』の方は非常にクラシカルで上質なカバー集。丁寧に作り込まれた楽曲集は、ほんのりと現代のサウンドを漂わせながらも基本的に古典的なポップソングを下敷きにしているShe & Himの世界観とサウンドそのもの。確かに目新しさと派手さは無いのですが、濃密で艶のある作品だと思います。そして2人の選曲の妙こそが『A Very She & Him Christmas』という作品のコアだと思うのですが、この選曲とサウンドを聴く限り二人の創作面においての相性の良さは相変わらず揺るぎないと思います。付き合っていそうで付き合っていない。でもやっぱり付き合っていそうな絶妙な関係性(Zooey DeschanelBen Gibbardと離婚しちゃったし)。それもまた前述のアルバムと対照的。あっ こちらの作品はぴかおさんのライナーもついていないし、ボーナストラックも無いので輸入盤でも良いと思います。
自分はそんなこんなで2011年のクリスマスを過ごしていきます。皆様、良いクリスマスを!

ディス・イズ・クリスマス

ディス・イズ・クリスマス

アナログ盤で聞くのも宜しいかと。
Very She & Him Christmas [Analog]

Very She & Him Christmas [Analog]