キリンスマッシュの見事なランナーアップ

という事でキングオブコントの雑感です。
ロバートの優勝は2008年の第一回大会でちょっと報われなかった部分を考えれば、妥当なところではないかと思います。1本目で勝負あったというところでしょう。ただ2本目は少し粗いネタだったので、多少点数に補正が掛かった印象を受けました。まあ全体的に1本目より2本目の方が点数が伸びる傾向がある中、点数自体は落ちているのですが(ロバート鬼ヶ島以外は2本目の方が点数が高い)、それでもちょっと違和感はありました。個人的に採点するなら多分ロバートの1本目は9点を入れると思うのですが、2本目には高くても8点までしかいれる事が出来ない気がします。ですので2700の「キリンスマッシュ」よりもロバートの2本目の方が高い点数になってしまっている事に違和感を覚えたのだと思います。でもその辺を除けば、全体的には順当な得点の結果になったのではないかと思います。
2700の「キリンスマッシュ」が優れているのは細かな設定の面白さと、ベタでシンプルで天丼的な構成の中で笑いを視聴者に預けるというか、想像力を膨らませる事が出来るネタだったという点。決してシュールとか玄人受けの笑いではなく、分かりやすさの中で、リズム、語感、動き、設定の細かい部分へのこだわりが笑いに繋がるネタだったと思います。大体「キリンスマッシュ」という語感自体が秀逸で、レモンスカッシュが何となくスカッとする語感なのと同じで、スマッシュの語感とピッタリで絵にした時の相性が良い動物はキリン以外考えられないですし、そこに辿り着いた発想力が素晴らしいと思います。八十島本人がコメントしていた様に「キリンスマッシュ」は非常に良い曲に仕上がっていると思いますし、例えるならば、異様にクオリティの高い教育番組のオープニングテーマといったところだと思います。
他にも2本目に意地を見せたTKO、実力どおりの安定感を発揮したインパルストップリードラブレターズ鬼ヶ島の初登場組も上手さ、将来性、キャラクターと三様のインパクトを残したと思います。モンスターエンジンは発想の面白さを上手くネタに落とし込む形が出来てきたと思うので、次回辺りは優勝の目がありそうです。全体を通して滑ったなーというネタが無かったのも印象的。運営自体も安定したものになっているし、コンテンツとしては優良なものに育ちつつあるのではないかと思います。
色々とゴタゴタしているフジテレビ系列はIPPON グランプリ人志松本のすべらない話というコンテンツはあるものの、不安要素が大きすぎてTHE MANZAIはどうなるか分からない状態。テレビ朝日系列はM-1が撤退したので「ロンドンハーツ」以外にバラエティに目立つコンテンツは無いですし、キングオブコントが育ちつつあり、実質的にはクイズというよりバラエティで、最近ちょっと面白いクイズ☆タレント名鑑にコンテンツとしての可能性を感じるのがTBS系列。日テレ系列は笑点ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!の老舗番組頼み。この状況はプロレスが下火になって総合格闘技が乱立してきた時代の格闘技界に妙に重なります。淘汰の後に新たなお笑いの時代はやってくるのか?何だかそんな2011年になりそうです。

大淘汰の時代 「メガ再編」後に生き残る企業・消える企業

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