Bowling for Soupが『Fishin' for Woos』で釣り上げたリスナーの信頼

Bowling for Soup『Fishin' for Woos』が最高だったのでご紹介。
Bowling for Soup『Fishin' for Woos』は11枚目のアルバムになります。Bowling for Soupは1994年のデビューからインディーズ時代に4枚のアルバムを発売しており、メジャーデビューアルバム『Let's Do It for Johnny!』が2000年に発売。メジャーデビュー後に7枚のアルバムを発売し、足掛け17年の間に11枚のアルバムを発売しているという事で、かなり早いペースで楽曲のリリースを続けており、沢山の良質なポップソングを生み出している素晴らしいバンドです。今までもBowling for Soupは素晴らしいポップパンク・パワーポップアルバムを発売し続けていたのですが、アルバムの顔になる様な飛びぬけてキャッチーな曲が強烈に耳に残る一方、アルバム全体でシッカリと聞かせるというタイプの作品ではなかった様に個人的には感じていました。しかし、最新作『Fishin' for Woos』は、全ての楽曲のクオリティが高いままコンパクトにまとめられ、アルバムとしても非常にシッカリとした作品に仕上がっています。
オープニングの「Let's Pretend We're Not in Love」はミディアムテンポで美しいメロディが光るJaret Reddickの素晴らしいソングライティング能力が発揮された楽曲(それはまるでBowling for Soup流のStacy's Mom」だ)、「Girls in America」Bowling for Soup印のポップパンクサウンドが楽しいアッパーチューン、80年代サウンド美味しく料理した大合唱間違い無しの「S-S-S-Saturday」と冒頭三曲からベストアルバムの様な畳み掛け方。バラード調の「What About Us」はシッカリと聞かせる力強い楽曲で、まさかBowling for Soupのバラードでグッとさせられるなんて思ってもいなかったけど、感動的な楽曲。中盤にもモーグが弾ける「Here's Your Freakin' Song」Bowling for Soupらしいサビのメロディが楽しい「This Ain't My Day」アコースティックギターがストリングスを伴って徐々に広がっていきながら力強く盛り上がっていく「Turbulence」Jaret Reddickがピアノだけで作ったという美しい「Smiley Face (It's All Good)」がありと、シングルになりそうな恐ろしくキャッチーな楽曲を含んだバラエティに富んだ仕上がり。I’ve Never Done Anything Like This」には女性ボーカルが入っていて、凄くいい声だなと思っていたら何と大好きなLetters to CleoKay Hanleyがゲストボーカルとして参加。この辺の人選も素晴らしいです。更に「Friends Chicks Guitars」は15年前に作られていて、ようやく日の目を見た楽曲だし、魔性の女の子をテーマにした「Graduation Trip」Bowling for Soupのアルバムの最後を飾るに相応しい世界中を駆け回るアッパーなチューンで、アルバムは息切れする事無く、最後まで良質のポップソングが収録されています。
冒頭でインディーズとメジャーの話を書きましたが、実は『Fishin' for Woos』はメジャーでアメリカでもイギリスでもヒットを飛ばして成功を収めたBowling for Soupが、またインディーズに戻って作られた作品で「Friends Chicks Guitars」の様な楽曲が収録された事も、インディーズに戻って更に自由が効くようになった事で収録された楽曲だし、インディーズに戻っても変わらないどころか、勢いを増したようなアルバムを完成させたBowling for Soupの今後の活動にも注目が集まります。
という事で『Fishin' for Woos』Jaret Reddickと盟友Linus of Hollywoodは現代のパワーポップ界最高峰の組合せであり、その脂の乗り切った二人がガッチリとスクラムを組んだだけあって、2011年に発売されたパワーポップ・ポップパンクアルバムとしてはダントツの出来だと思います。アッパーなチューンからミディアムからバラード全ての楽曲のメロディが素晴らしく、全12曲全ての楽曲が3分台で文句なしの仕上がりですので全ての音楽リスナーにお勧めしておきます。名盤。
実はこのアルバム海外では4月に発売されておりまして、大体Bowling for Soupの国内盤は豪華な仕様で発売される事が多い為、指を加えて待っていたのですが、何と国内盤は日本独自のベストアルバムとのカップリング仕様!傑作のニューアルバム『Fishin' for Woos』がおまけの様な扱いなのが気になりますが、全曲の歌詞対訳付きでJaret Reddickのコメンタリーも付いてきますので、お買い得である事は確か。というか、このアルバムからBowling for Soupを聞き始める人は、ベストアルバムとニューアルバムのクオリティの高さに度肝を抜かすのではないかと思います。

グレイテスト・ヒッツ + フィッシング・フォー・ウーズ

グレイテスト・ヒッツ + フィッシング・フォー・ウーズ

相変わらずお馬鹿で楽しいPVも必見。