掲示版の役目を考える。阪神タイガース公式サイトのボードルーム閉鎖に寄せて

阪神タイガース公式サイトのボードルームが閉鎖になります。自分はそれなりの頻度で閲覧していただけに非常に残念です。ここだけの話、何度か書き込んだことありますし。阪神タイガースというのはおかしな球団で、管理の煩雑さや難しさもあって、他の球団では取り入れていない掲示版スタイルのボードルームというシステムをなぜかいち早く取り入れていました。ボードルームによってファンによる様々な意見が活発に飛び交う生きたサイトになっていたのは確かですし、多くのファン同士が交流出来る唯一の(公式な)スペースになっていたのですが、その反面チームの成績やネガティブな要素を含むニュースによっては非常に厳しい意見、人格否定に及ぶ目に余るほどの誹謗中傷までが、公式のサイトに掲載されるという事態も日常茶飯事の様に見られていました(問題のある発言は掲載後に削除されていましたが、事前の謁見がある訳ではない)。以下が閉鎖のお知らせ。

ご利用者の皆様へ
阪神タイガースでは、球団の基本姿勢として、「お客様重視の経営を行い、多くのお客様に愛される球団」になることを目指し、1998年から公式サイト上に、ファンの皆さまとのコミュニケーションの場としてボードルームを設けてまいりました。
その後、twitterfacebookといった新しいソーシャルメディアの普及に合わせて、これらを公式ソーシャルメディアに取り入れ、ファンの皆さまとのコミュニケーションの充実を図ってまいりました。
そこで、阪神タイガースでは、これらソーシャルメディアの変革にともない、このボードルームは一定の役割を終えたものと考え、来る6月30日午後6時をもってサービスを終了させていただくことといたしました。このボードルームをご利用いただいた皆さまに対しまして、この場を借りてお礼を申し上げるとともに、引き続き、阪神タイガース公式ソーシャルメディアを通じてファンの皆さまの声をお寄せいただきたく、よろしくお願い申し上げます。
公式ソーシャルメディア
http://hanshintigers.jp/home/social/
ソーシャルメディアtwitterおよびfacebook)とは、どなたでもご利用頂けるアカウント登録無料のサイトです。
まだアカウントをお持ちでない方は上記URLよりご登録手続きへお進みください。

これを読む限りではあくまでも時代の流れ、ソーシャルメディアの変革によるものだという事が書かれているのですが、良く聞く「一定の役割を終えた」という表現が何に該当するかは分からないですし、TwitterFacebookがボードルームの代わりになるとは到底思えないので、この辺を理由にするのは難しい様に思います。阪神タイガースTwitterFacebookの公式アカウントも覗いてみましたが、一方的な情報発信であって、そこに双方向の交流は生まれないように思います。今後既存のソーシャルメディアが発展していったとしても、不特定多数の阪神タイガースのファンが集うという媒体(敢えて書くならmixiのコミュニティが近い存在でしょうが)にはなりえないですし、Twitterで個々のディベートが盛り上がったとしても、多くのファンが議論を行き交わすという流れにはならない様に思います。また、ボードルームというシステムはネット初心者には分かりやすいシステムだし、それこそアナログ主体の人間も老若男女問わずに気軽に参加していたと思うのですが、TwitterFacebookになるとそうはいかないと思います。確かにスタイルとしての掲示版が廃れてきているのは確かなのですが、2ちゃんねるが無くならないと同じで、多くの人数が集まる限り掲示版のメリットは無くならないし、その役目は終わらないと思います。要は掲示版は管理するのも言論を抑制するのにも不向きな媒体ですので、それを公式のサイトとして運営していくのは難しくなりましたという事なのでしょう。でもまあ、ここまで運営してきた球団関係者の方々の苦労も理解出来ますので、取り敢えずはお疲れ様という事で。願わくはボーダーの皆様の交流が続きますように。