Holidays Of Seventeenが『Let There Be Pop』で残した決意と痕跡

週末はパワーポップナイトという事でHolidays Of Seventeen『Let There Be Pop』を聞いています。Holidays Of Seventeenに関しては、地元出身のバンドという事で当ブログでも何度かご紹介しましたが、セカンドアルバム『Let There Be Pop』を紹介していなかったので、このタイミングでのご紹介です。
『Let There Be Pop』はそのタイトルからも分かる通り、パワーポップの枠に収まり切れないポップな音楽を追求した作品に仕上がっています。『Let There Be Pop』シンセサイザーが縦横無尽に飛び回る80年代のサウンドを意識した楽曲群が印象的なのですが、全体的にサウンドは分厚くなりボーカルやコーラス面でも向上が見られ、全体的にビルドアップされたHolidays Of Seventeenサウンドに仕上げられており、そのタイトル通りのポップソングを届ける事に尽力した痕跡を感じる事が出来ます。特にアルバムの冒頭を飾る「Partiest Party」から5曲目の「Perfect Liar」までの畳み掛ける様にポップでアップテンポな展開は、『Let There Be Pop』の大きな聞かせどころであると共に、Holidays Of Seventeenの大きな決意と成長を感じる部分でもあります。
また、『Let There Be Pop』Primal Scream「Rocks」を意識したかの様な「Just Move On」BOOWY「Cloudy Heart」の様なメロディが飛び込んでくる「Perfect Liar」、そしてOk Go「Don't Ask Me」の様なギターが楽しい「A Boy Of The World」などを筆頭に、過去のポップミュージックに対するオマージュが随所に聞こえてくる楽曲が収録されている事もあってHolidays Of Seventeenなりにポップミュージックを消化し、解答を探し出している様なアルバムに仕上がっています。その辺の企みも含めて『Let There Be Pop』にはHolidays Of Seventeenの遊び心が存分に発揮されていると思います(「A Boy Of The World」なんて極身近な友人をモチーフにしたコミカルな歌詞ですしね)。
という事で、『Let There Be Pop』Holidays Of Seventeenらしい要素に満ち溢れ高いレベルでまとまった意欲作に仕上がっており、今後も活躍が期待される訳ですが、あとはHolidays Of Seventeenの突き抜ける魅力というか 唯一無比の武器を携えて全面に打ち出す事が出来れば、更に大きく飛躍出来ると思いますし、それだけのポテンシャルを持ったバンドだと思います。また、「P.S. Goodnight」の様なバラードチューンもHolidays Of Seventeenの持ち味でもあるし、アルバムのアクセントとなるミドルチューンをもう少し聞いてみたいという気持ちも残りましたので、次作にはその辺にも期待したいと思います。

Let There Be Pop

Let There Be Pop