The Wombatsが『This Modern Glitch』で見せた華麗な開き直り

The Wombatsのセカンドアルバム『This Modern Glitch』を聞いています。
デビューアルバム『A Guide to Love, Loss & Desperation』もUKでヒットしたWombatsですが、新作『This Modern Glitch』もUKチャートで3位を記録するなど、順調なセールスを上げています。プロデューサーにRich Costey、Eric Valentine、Butch Walker、Jacknife Lee、参加ミュージシャンとしてTV On The RadioDave SitekJane's AddictionDave Navarroとかなり豪華な面々がクレジットに名前を連ねており、一体どんな作品に仕上がったのかと思ったのですが、意表をついたニューウェイブサウンドを大胆に取り入れており、聞いた瞬間に思わずのけぞりました。前作『A Guide to Love, Loss & Desperation』でインディーロックの見本の様なポップな良作を届けてくれたWombatsは、その他愛の無いポップさと繰り返される拍子抜けする様な歌詞とのバランスが、受け入れられていたバンドだったと思うのですが、『This Modern Glitch』では大きく方向転換を果しています。
確かに前作に比べると、メロディに重きを置いたというよりサウンドインパクトと勢いで勝負した様な作品に『This Modern Glitch』は仕上がっているのですが、シングル不況のご時勢の中シングルとして発表された「Tokyo (Vampires & Wolves)」「Jump Into the Fog」「Anti-D」の3曲が並んだ序盤は圧巻だし、4枚目のシングルになる「Techno Fan」では、大胆にシンセサイザーを取り込んだアルバムを作り上げながら、臆面も無く「自分がテクノファンだなんて知らなかったぜ」と歌ってしまう辺りに、Wombatsの素晴らしさがあると思います。アルバムのハイライトはやはり前述した「Techno Fan」で、センチメンタルな前後の「Last Night I Dreamt...」「1996」を含めた流れがアルバムの中でも印象に残ります。正直『This Modern Glitch』は好みが分かれる作品ではあるのですが、セカンドアルバムで悩みすぎるアーティストが多い中、開き直ったそのサウンドで楽しませてくれたWombatsは支持すべき存在ではないかと思います。あまり深いことを考えずにぜひどうぞ。

Wombats Proudly Present: This Moder

Wombats Proudly Present: This Moder


可笑しな東京の風景