Adeleが『21』で見せる可愛げ

驚異的なヒットを飛ばしてるAdele『21』を聞いています。デビューアルバム『19』で彗星の様に登場したAdeleのセカンドアルバム『21』は、22歳にして恐ろしいほどの貫禄を身に付けたAdeleが、完成度という点では文句の付け様のない一枚に仕上げてきたという印象を受けます。
元々その表現力を含めた歌唱力は抜きん出ていたAdeleですので、ヒットした前作を上回る大ヒットを記録しているのも頷ける(前作『19』もチャートで再浮上し、UKチャートで1,2フィニッシュを飾るという快挙を成し遂げています)のですが、今作『21』ではソングライティングの向上もあって、前作を上回る高い完成度を誇る作品に仕上がっている事が大ヒットの要因になっていると思います。『21』Adeleと様々なライターとの共作で作られており、プロデュース自体もRick Rubinを中心に様々な人が参加しています(SemisonicDan Wilsonなんかも参加していますね )。しかし、『21』は様々な人間が関わったとは思えないほどに統一感のあるトーンとサウンドで構成されており、この辺はAdeleの安定した歌唱力に絶妙なバランス感覚というか客観性が活かされているのだと思います。最初に聞いてみて思い浮かんだのは、やっぱりDusty Springfieldとかで、すでにAdeleはシンガーとして過去の名シンガーに肩を並べつつあると思うし、その歌唱力に卓越したソングライティングの能力が加わっている訳ですから、正直同世代のシンガーなんかは歯が立たない程の圧倒的な存在感を放っていると思います。
「これを出されると文句はつけれないよね」と言いたくなるほど完璧な内容の『21』は、確かに可愛げとか面白みはないのですが、高いクオリティを持つ個々の楽曲に圧倒される力強い仕上がりだと思います。「Rolling in the Deep」のソウルフルな節回しも良いですし、The Cureのカバーである「Lovesong」も完全に自分のものにしているのですが、個人的にはやっぱり「Turning Tables」「Someone Like You」Dan Wilsonとの共作)の様なメロディ際立つ楽曲が好き。
見た目もすでにアデル姉さんという風貌。そして貫禄のつけまつげ。彼女はビジュアルで売る必要が全く無いはずなのに、その線を絶対に捨てないところだけが可愛らしいといえば可愛らしい。

自分が買ったCDにはシングル「Rolling in the Deep」がそのまま2枚組の様にパッケージされていました。在庫処理なのか何なのか、珍しいパッケージング。

21 (Incl. 2 Bonus Tracks)

21 (Incl. 2 Bonus Tracks)