Gruff Rhysの『Hotel Shampoo』で世界中を旅した気分に浸る

ウェールズ繋がりで同時期に発売されたSuper Furry AnimalsGruff RhysのソロアルバムHotel Shampoo』を聞いています。
前作『Candylion』も良作だった(タイトル曲の「Candylion」が大好き) Gruff Rhys待望のニューアルバムHotel Shampoo』だけに、期待も高まっていたのですが、前作に勝るとも劣らない良作でした。今作Hotel Shampoo』はまるで世界中を旅している様なコンセプトを感じるアルバムで、リゾートアルバムとまではいかなくとも、多国籍な雰囲気を感じさせるアルバムになっています。何やら世界各国を回ったGruff Rhysが、ホテル・シャンプー容器や歯ブラシ、スリッパなどのいわゆるアメニティグッズを収集するのが趣味だった事から今作のタイトルは取られているようですが、その意味ではまさにタイトル通りのアルバムに仕上がっていると思います。
カモメの声で幕を開ける「Shark Ridden Waters」Hotel Shampoo』の世界観が、スッと染み込んでくる名刺代わりの一曲で、一気にアルバムに引き込まれますし、Honey All Over」はピアノの音でジワリと上がってきながら聞かせるコーラスワークが美しく、続く「Sensations In The Dark」の様にトロピカルで弾ける様なポップサウンドはソロアルバムならではのアプローチで、冒頭三曲の流れがとにかく素晴らしいです。Hotel Shampoo』全体的を通しても、Super Furry Animalsで聞かせるサウンドとメロディをギュッと絞り込んで焦点を定めてきた印象で、サウンドの進化や広がりを重視しているであろう近年のバンドでのサウンドより、人懐っこくて暖かみのあるサウンドです。個人的にもこの路線の方が好みで、売れっ子で様々なユニットにも引っ張りだこのGruff Rhysですが、ソロ活動にこそサウンドの本質が表れている(まあ当たり前ですが)と思うので、興味のある方はぜひ聞いてみて下さい。来日公演もあるので、ぜひどうぞ。

ホテル・シャンプー

ホテル・シャンプー


アメニティアートなこちらの動画も面白いです。