Bleuの『Four』が鳴らす自由な独立

昨年『A Watched Pot』で見事な復活を遂げたBleuの新作『Four』が早くも発売されたのでご紹介。
『Four』を一聴した印象は、前作『A Watched Pot』から引き継がれるホーンとストリングスのアレンジが、更に大々的に取り入れられており、非常にソウルフルなポップアルバムという印象。ジャケットにはBleuことWilliam James McAuley IIIの幼少期の写真が全面的に使用されており、そのイメージに沿った人生を祝福する様な明るいサウンド『Four』は仕上がっており、Bleu自身の完全復活を祝福しているかの様です。
いきなり勢いの良いカウントから始まるポップナンバー「Singin' N Tongues」で幕を開け、2曲目の「B.O.S.T.O.N.」は様々な人がコーラスで参加した賑やかな楽曲で、ボストンで生まれたBleuが高らかに歌い上げる人生讃歌に仕上がっており、『Four』を象徴する一曲になっています。この様にアルバムの冒頭から、明るいサウンドが耳に残る『Four』ですが、美しいバラードで終盤はソウルフルな展開を見せる「In Love With My Lover」とストリングスが美しいソウルバラードの「When The Shit Hits The Fan」がアルバムの中央に配置される事によって輝きを増して聞こえますし、前作『A Watched Pot』がじっくりと聞かせるタイプの楽曲が多く収録され、アップテンポな「Kiss Me」という楽曲が際立ったのとは対照的な構成で、『A Watched Pot』『Four』が対になる事でBleuサウンドのレンジの広さを打ち出せているのが素晴らしいと思います。
そして「Ya Catch More Flies With Honey Than Vinegar」では打ち込みサウンドを大胆に取り入れた新境地(とはいってもElectric Light OrchestraをオマージュしたユニットL.E.O.もやっているBleuですからお手のものではあるのですが)も披露したり、最終曲の「Everything Is Fine」(終了後、曲間が開いてボーナストラック的に「My Own Personal Jesus」という楽曲が収録)では盟友Roger Joseph Manning Jrをゲストに向かえ、息の合ったコーラスワークでキュートな楽曲を聞かせてくれたり、『Four』Bleuが非常に自由に楽しんで製作に取り組んだ事も窺い知れ、その事が良い方向に働きBleu自身が好調期に入っている事がハッキリと分かる作品に仕上がっています。
また今作『Four』は自主レーベルからリリースされており、その製作資金もKickstarterというサービスを通じて集められた様で、独立したレーベルを立ち上げる事で、更に自由な活動を手に入れる事が出来たのではないかと思います。ちなみにレーベル名も自身の参加しているMike ViolaDucky Carlisleと結成しているThe Major LabelsにちなんでThe Major Labelになっています。

Four

Four

幼少の佇まいからは考えられないモミアゲっぷり。