Hellogoodbyeが『Would It Kill You』で聞かせる「変化!メロディ!ロックンロール!」

デビューアルバム『Zombies! Aliens! Vampires! Dinosaurs!』がヒットを記録したカリフォルニアのパワーポップバンドHellogoodbye。セカンドアルバム『Would It Kill You』では彼らの魅力の一つであったシンセサイザーを捨て去り、Daft Punk張りのヴォコーダーも姿を消したイメージ一掃の一枚に仕上がっています。
アルバムの冒頭を飾る「Finding Something to Do」から、いきなり疾走感のあるUKインディーロック風の楽曲にドタドタしたリズム、コーラスにストリングスも絡み合い、エモーショナルなボーカルも含めてまるでThe Viewの様。完全に意表を付かれた後の2曲目の「Getting Old」も、Forrest Klineのボーカルにスポットが当たったミドルチューンで驚くほどメロディに力を持った楽曲。先行シングルとなった「When We First Met」は、前作に収録された「Here (In Your Arms)」に次ぐHellogoodbyeのアンセムと成り得るキラーチューンで、前作から引き継いだ打ち込みの要素を活かしつつも、よりメロウでじわっと上がってくるその展開力にも唸らざるを得ません。とまあ冒頭の3曲だけでHellogoodbyeの大きな変貌を感じる事が出来るのですが、『Would It Kill You』全体を通じてもその印象は変わりなく、単純なパワーポップサウンドではなく、大胆なストリングスやホーン、そしてUKロックの要素を取り入れたサウンドは、『Zombies! Aliens! Vampires! Dinosaurs!』からの多くのリスナーを驚かせる事になると思いますし、もしかすると今回のHellogoodbyeの変化は、前作のサウンドが気に入っているリスナーを失望させるのかもしれません。しかし、良い意味で普遍的で良質なメロディの力が加わったHellogoodbyeのシフトチェンジは、さらに多くのリスナーを獲得出来る可能性を持った強力な魅力も放っており、個人的にはこの変化は大歓迎です。
バンドメンバーも中心人物のForrest Kline以外のメンバーが総入れ替えになり、プロデュースもForrest Kline自身が務めている為、HellogoodbyeはForrest Klineの個人ユニット的な意味合いも深まっており、サウンド以外にも大きな変化を見せているのですが、これはサウンド面の進化を果すに当たって必要であった事なのかもしれません。結果的に『Would It Kill You』Forrest Klineの圧倒的な才能を浮き立たせていると同時に、前作に勝るとも劣らない良質のアルバムに仕上がっているのですが、セールス的には全米104位と前作に比べて大苦戦しており、その才能やサウンドが埋もれてあまりにも惜しい気がします。という事で多くの人にHellogoodbyeサウンドが届きますように。ぜひご協力を。

Would It Kill You?

Would It Kill You?