Gin Blossomsが『No Chocolate Cake』で見せた晴れ渡る空の景色

Gin Blossomsの復活第二段アルバム『No Chocolate Cake』が発売されていたのでご紹介。
2006年に劇的に発売された『Major Lodge Victory』から4年の年月を経て完成した『No Chocolate Cake』は、前作に引き続きGin Blossomsの素晴らしさが発揮されたアルバムで、その活動が再び軌道に乗ってきたのが嬉しい限りです。Gin Blossomsといえばメンバーの脱退や死そして解散に再結成という紆余曲折があったバンドで、セカンドアルバム『Congratulations I'm Sorry』とサードアルバム『Major Lodge Victory』の間には10年のブランクがあります。にも拘らず、新作『No Chocolate Cake』で鳴らされているサウンドも迷いの無いギターロックサウンドで、90年代から現在まで一切ブレの無いサウンドを聞かせてくれています。
『No Chocolate Cake』のオープニングを飾る「Don't Change for Me」Gin Blossomsの王道ともいえるサウンドで、今までのアルバムでも一曲目に印象的な楽曲を持ってきていたGin Blossomsらしい、代表曲になり得る一曲だと思います。続く「I Don't Want to Lose You Now」、シングルとなった「Miss Disarray」とメロディラインが美しくアップテンポな楽曲が続くのですが、「Wave Bye Bye」はじっくりと聞かせながらサビで盛り上がる好トラックで、アルバムの中でも印象に残ります。その後も、アルバム全体を通して疾走感のある楽曲を中心に、カラッと晴れ渡る空の様なサウンドが特徴的で、最終曲のGoin' to California」まで一気にアルバムを聞き通す事が出来ます。
という事で『No Chocolate Cake』はアップテンポな楽曲に聞きどころのあるアルバムなのですが、正直なところ、新たな発見や驚きは聞こえてこないですし、メロディのフックを含めた全体のクオリティは前作『Major Lodge Victory』の方が上だと感じています。ですが、これはGin Blossomsに対する期待の高さ故で、確かに人に薦めるとしたら『Major Lodge Victory』を先に薦めるとは思うのですが、『No Chocolate Cake』も十分良いアルバムですので、前作を気に入った方は安心して購入して頂きたいと思います。あと『Major Lodge Victory』の最終曲が「California Sun」『No Chocolate Cake』の最終曲がGoin' to California」なのは意図的だと思いますし、前作から陸続きのアルバムであると思いますので、2枚続けて聞いて頂けたらと思います。

No Chocolate Cake

No Chocolate Cake