Macy Grayの『The Sellout』で感じる暖かいボーカルと繋がるところ

Macy Grayの5枚目のアルバム『The Sellout』をご紹介。
Macy Grayといえば、ジャンルでいえばR&BとかSoulにカテゴライズされるシンガーだと思うのですが、Rockリスナーにも受け入れられる楽曲を発表し続けているのが嬉しいところ。ロック系のクラブでもサードアルバム『The Trouble with Being Myself』に収録された「When I See You」は良く流れていたし、実際に今作『The Sellout』でも、Velvet Revolverをゲストに迎えるなど、ロックなアプローチも継続させており、その辺がMacy Grayが他のR&Bシンガーとは一線を画している部分だと思います。先行シングルになった「Beauty in the World」はアコースティックなサウンドが印象的な好トラックで、Macy Grayのボーカルが活かされたアンセム的なメロディがクラブ映えしそうな楽曲。セカンドシングルの「Lately」も今風のサウンド処理がされたアップテンポでポップな楽曲で、これまたクラブではヒットしそうです。
あと『The Sellout』にはBobby Brownが参加している事も話題になったのですが、10曲目に収録されたBobby Brownが参加の「Real Love」という楽曲自体は凡庸な出来で少々印象が薄く、アルバム全体を通しても表情豊かなアルバム前半が印象に残る為、アルバム後半部に埋もれてしまった印象を受けるのは少々残念。
とはいえ、一聴しただけでそれと分かるMacy Grayのボーカルは今作『The Sellout』でも冴えており、will.i.amがプロデュースという事で、良くも悪くもThe Black Eyed Peas色が感じられた前作『Big』よりも、ボーカルの暖かみというか柔らかさを活かしているという点では今作『The Sellout』の方に軍配が上がるではないかと思います。Macy GrayはロックとR&Bを繋ぐ意味でも存在感の大きなディーヴァですので、今後も多くのリスナーを繋ぐ事を期待したいですし、それを改めて感じさせるアルバムに『The Sellout』が仕上がった事を素直に喜びたいと思います。
本国ではジャズレーベルConcord Recordsから発売でジャケットもそんな雰囲気。

The Sellout

The Sellout