「同窓会〜ラブ・アゲイン症候群」の年齢を考えた

「同窓会〜ラブ・アゲイン症候群」井上由美子の脚本が冴えた秀作で、今クールで自分が見ているドラマで一番出来が良いと思います。
井上由美子脚本の連ドラといえば「ファースト・キス」はイマイチでしたが、「SCANDAL」と「サムライ・ハイスクール」の出来は良かったですので、期待感はあったのですが想像以上の展開で、飛び抜けた視聴率ではないもののそれなりに視聴者の支持を得ていると思います。メインキャストの黒木瞳高橋克典斉藤由貴三上博史のそれぞれの演技力(特に三上博史は、個性派俳優とか綺麗な性格俳優という枠を超えた日本では珍しいタイプの役者だなと改めて感じます)もあって、十分に脚本が活かしきれたドラマになっていると思うし、黒木×高橋と斉藤×三上のカップルの精神性や関係性が見事なほど対照的になっている事で、その結末にも非常に期待が出来る展開になっていると思います。
さて、本題。このドラマ45歳の男女が同窓会で30年振りに出会ってという展開なのですが、実際の年齢を見てみると黒木瞳(49歳)、三上博史(47歳)、高橋克典(45歳)、斉藤由貴(43歳)という順番。意外と幅がある訳ですが、異様に若い三上博史はさておき、それぞれがそれなりに同級生を演じきっています。どうしても黒木瞳が飛びぬけて見えてしまい、実際に画面上でも年齢を感じる事があるのですが、じゃあ主演を張れる女優で清楚でカマトトな主婦の演技がはまりそうな45歳前後が思い当たらないので、まあ仕方ないかと思います(年齢的にみたら真矢みき薬師丸ひろ子高島礼子沢口靖子麻生祐未あたりが該当するのですが、恋愛モノの主演である以上他の選択肢が無いのかなと)。あと、井上由美子黒木瞳の一学年下で同世代ですので、本人がクラスのアイドル的な存在をイメージした場合、黒木瞳という配役は凄く的確だとは思います。まあ、年齢がキーワードになっているドラマですが、実年齢の整合性が霞むほどの素敵な展開なので、見逃している方は機会があれば是非。全9回で終了予定なので、尺が足りるかだけが心配。
あと、Lyme-Records的にはエンディングの曲だけが、違和感があるのですが、全体を通せばMichael Jackson「Speechless」が挿入歌になっていたり、劇中で印象的にThe Rolling Stones「As Tears Go By」が流れたりと、それなりに音楽に気を使われているのも好感度は高いです。