Scouting for Girlsが『Everybody Wants to Be on TV』で聞かせる開き直ったポップソング

Scouting for Girls『Everybody Wants to Be on TV』が完全無欠のポップアルバムに仕上がっていたのでご紹介。
デビューアルバム『Scouting for Girls』がロングヒットになり、結果的に大ヒットになったScouting for Girlsなのですが、売れるバンドは叩かれるというUKバンドの宿命そのままに、そのUKバンドらしくない陽性のサウンドと分かりやすい歌詞が、メディアから総攻撃を食らっていたのですが、逆境に負けずに見事にセカンドアルバムを完成させました。『Everybody Wants to Be on TV』は全編を通して前作に引き続き飛び切りポップな作品ですが、若干マイナーチェンジする事で、前作と違う魅力を打ち出してきています。具体的には前作にあったピアノロックな路線が控えめになり、パワーポップ色が強まった事が最大の特徴で、ソウルフルな楽曲も増えた事で、より力強いイメージの楽曲が並んでいます。『Everybody Wants to Be on TV』は前述した通り、メロディの良さが引き継がれる事で、全曲口ずさめる様なポップソング集に仕上がっており、シングルカット出来そうな楽曲が多数収録されています。先行シングルとしてヒットを飛ばしたソウルフルな「This Ain't a Love Song」の他にもScouting for Girlsらしい軽妙さに溢れた「Famous」やムーグが効いた「On the Radio」、大胆にストリングスを取り入れた「Blue as Your Eyes」、駆け上がるようなメロディが特徴的な「Posh Girls」あたりは強力な存在感を放っており、ヒットメイカーであるScouting for Girlsの最大の魅力は十分に発揮されていると思います。
Scouting for Girlsに対しては今後も賛否両論が出続けるでしょうし、出るくらいヒット曲を出し続ける事が課せられたバンドだと思うのですが、今作『Everybody Wants to Be on TV』で聞かせてくれているサウンド以上に、開き直ったようにポップソングに向き合った姿勢は評価されるべきだと思いますし、異色のUKバンドとして踏ん張りつづけて欲しいと思います。

Everybody Wants to Be on TV

Everybody Wants to Be on TV

ちょっと遅れますが国内盤も出るようで。
エヴリバディ・ウォンツ・トゥ・ビー・オン・TV

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