Dum Dum Girlsが『I Will Be』から求められる進化と継続

Ramones×Ronettesという紹介をどこかで見かけ、そしてこのジャケットという事で購入したDum Dum Girlsのデビューアルバム『I Will Be』をご紹介。
Dum Dum Girlsといっても中心人物であるDee Deeのソロユニットという意味合いが強いようで、コンセプチュアルな面が強いユニットの為、サウンドの方も非常に分かりやすいローファイなインディーズロック。確かにRamonesRonettesの影響下ではあるのですが、サーフロックな一面があったりスロウな楽曲にも優れた点も覗かせたサウンドは、確かに話題になるだけの光るものがあり、先行シングルになった「Jail La La」の様なポップな楽曲は多くのリスナーの耳に届くのではないかと思います。全体を通せば『I Will Be』は音も良くないですし、一本調子であっという間に聞き終えてしまう印象も受けますが、CrocodilesBrandon Welchezとのデュエットを披露した「Blank Girl」では、男女ボーカルの掛け合いが独特のポップな雰囲気を生み出しており、もう一つのDum Dum Girlsの可能性も感じることが出来ます。
プロデューサーにはBlondieThe Go-Go's、そしてThe Raveonettesを手掛けたRichard Gottehrerを迎えていたり、Phil Spectorと結びつきの強いSonny & Cher「Baby Don't Go」をカバーしていたりと、そのコンセプトは明確で徹底したものであり、Dee Deeの才能自体は確かなものではあると思うので、Dum Dum Girlsの今後には期待は出来ると思うのですが、この手のバンドやユニットで一番大切なのは継続する事なので、Dum Dum Girlsも継続する事で活路を見出して欲しいと思います。Raveonettesなんかは当初のコンセプトからマイナーチェンジして継続する事で、クオリティを高めてきたバンドの好例だと思うし、その様な進化と継続をDum Dum Girlsにも期待したいと思います。

I WILL BE (IMPORT)

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